病み相談者【d!】 (ページ42)

今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:16,701 hit

... ページ42

授業も終わり、もう下校出来る。
でも、今日は部活があるから皆帰らずに部室へと向かっていった。
私は文芸部に入った。けど最初行き逃してしまったから入り辛いし、このまま幽霊部員として生きてるのもおもろいな、と思い行っていない。友人も居ないし。

荷物準備を譲っていたら帰りの会？が始まってしまったから準備出来ていない。掃除の人達に迷惑がられながら準備し教室を出た。

…あ、忘れ物したかも。
急にそんな不安に駆られた。
けれど未だ掃除中だろうからトイレへ駆け込み終わるであろう時間までなんとかやり過ごした。

ある程度経ってからトイレを出て教室へ向かうと窓際の席で座ってグラウンドをぽーっと眺めている生徒が居た。
何時もなら放置していたのだろう。
……前の席の人で無かったら。

「朱黄くん、なにしてんの？」

「友達、待っとる」

驚くこともせず、まるで私が来るのを分かってたみたいに言った朱黄くん。
友達、って誰だろう…、気になってしまったけれど無駄な詮索は良くない、と

「そっか」

だけ言って忘れ物を鞄に詰め込み教室を出ようとした。

「行かんとってや、一人で待ってるの寂しいねん」

引き留めるかのように軽く腕を捕まれ上目遣いでお願いされると断れなくて了承してしまい席についた。

数分後、お友達さんが来た。

「ちーの、すまん、絡まれてもうてっ…？！」

私を見るなり驚き言葉の終わりが強まった。
彼は翔くん、私と少し関わりのある人だ。

「あれ、Aさんっすよね？」

「う、ん…、翔、くん？」

やっぱり。
朱黄くんは関わりがあるのを知ると何処で知り合った、等と問うてきた。
あまり話したくはなかったからはぐらかすと納得してくれた。優しい。

「ってか…しょっぴくん翔くん呼びなんや…」

くすくす、と笑いながら言う朱黄くん。
しょっぴ、くん？

「ちーのこそ、朱黄くん呼びとか……」

煽る様に言う翔くん。

「あ、俺ちーのっちゅー渾名あるからそれで呼んでや！Aはー…、Aやな」

朱黄くん、基ちーのくんは前マンちゃんが付けてくれた渾名と同じのを付けてくれた。

「ええなA、俺はしょっぴ、やから」

しょっぴくん、とちーのくん。
渾名呼びにしただけで一日で中を深められた気がする。嬉しいな。

「…ちーのくん、しょっぴくん！よろしく、ね」

吃りながらも言うと2人は胸辺りをぐっと握り

「は、かわえぇ…」

「ロリ味を感じた……」

と言ってきた。
あまりよく分からないけれど、成り行きで一緒に帰ることにもなった。