病み相談者【d!】 (ページ14)

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「んっ…、美味かったわ、ほんまおおきに」

「いえいえ」

ただ自分が食べきれないから渡しただけ。
明日からはもっと少なくするか……。

「そんで話なんやけど…」

「はい」

緊迫した空気が流れ、水谷先輩は語り始めた。

「…俺な、こんな見た目やから気味悪がられてん。家でも、学校でも。綺麗や、って寄ってくる奴も居る、けど大抵俺の中身なんか見てないから捨てるんや」

一息ついた。

「やからあーゆー風に死のうとした。他の奴は自分が加害者と勘違いされたくない、とかで止めたりするんやけどな、Aは違くて吃驚したわ」

ある程度話終わったのか此方を見る。
私が話すのを促すかのように。

「人間、見た目見てばっかりですよね、気色悪い。中身なんかどうでもいい、って。…死のうとしていた件ですが、私は死にたいなら死ねば、という考えですし、正直羨ましかったので」

そう。
羨ましかった。

「…羨ましい？」

「はい、そんな風に死ぬ勇気のある人、本当に羨ましいです」

死ぬ勇気があり、実行に移す。
そんなの無理だ。
第一死にたい…、けど…、なんて迷っている私には不可能と同じなのだ。

「ふぅん、やっぱAって変わっとるな、なぁ、いつ屋上で飯食う？」

「えっ、と…、水曜ですね」

何故そんな事聞くのだろう。
不審がりながらも答えると

「わかった、一緒に食おうや！」

と笑顔で言ってきた。
先述した通り私は人と何かを食べたりするのは苦手だ。
だが、この人なら_

「分かりました、では、また一週間後」

「ん、じゃーな」

手を大きく振り、私のことを見送ってくれる水谷先輩。
ああ、やっぱり格好良いなぁ…。
ん？でも…
授業、受けないのだろうか。
まぁ人には人の事情があるだろう。
私だったら聞かれたくないから敢えて聞かずに教室に戻った。