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『あの、』
さっきから無言で力強く私の腕を引っ張るマークさんは一体どこへ連れていくつもりなのか、段々と人通りが少なくなってくる廊下を永遠と歩いている。
『ッあの！』
MK「...あ、え、ご、ごめん」
『急にどうしたの？』
MK「いや.......あの子たちに話してた時Aの顔が嫌そうだったから、」
通りすがりに見えてしまい、身体が勝手に動いたというけれど、可愛くない私はどうしてもこの人を否定したくなる。これは本能なのだ。
一体わたしの何を知った気になってるのか、私たちが話したのは数え切れるほどで、いや、そうやって突き放してきたのは私かもしれないけど。何でも持ってくるせに、性格まで良いなんて神様は意地悪すぎる。
『だからって腕掴んでここまで来たの？』
歩くのを辞めた足からは、音が鳴ることなんてないし人気のいないこの廊下では私の声がよく響く。
MK「...うん、なんか、守ってあげなきゃって」
『わたし、守ってもらわなくて平気だよ。』
MK「.......いや、平気じゃないの、知ってる..し、」
あーもう本当に嫌になる。距離を縮めてくるのはやめて欲しい。この一定の関係が私たちには絶対いいんだって、いやそうして欲しいの。マークさんを見れば見るほど私の自信と勇気がどんどん減っていくから。
MK「.......俺、ホントに、Aのこと..ちゃんと知ってるよ、」
『あー、うん、有難う。』
これならまだあの女の子たちといた方が良かった。
ジェノはあげないけどね、ん？友達だからだよ、やだよそんなの友達だもん、わたしのジェノを連れてかないで。
MK「俺、Aが事務所に来た時からホントにずっと見てたよ。」
『そう言うのいいって、』
MK「だからジェノ達しか信じれないのも知ってる、」
その声に思わず振り返ってしまった。
『別にそんなことないのに、そんな風に見えてるの、？』
MK「いや、そうじゃなくて、」
『信じてるもなにも私を見つけてくれたのがあの2人で早かっただけだもん』
MK「ッ、だって俺の事避けるじゃん！」
鈍感だと思ってたけど、なんだ。分かってたんだ
『.......それは、』
MK「ホントにAのこと見てて、話しかけれなかったけど.......」
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作者名：みるく | 作成日時：2021年8月29日 15時
