報われない思い ページ26
目頭がじわりと熱くなった。
そんな私を見て神宮寺くんは
隣に座る私の頭を泣いてる子供をあやすように
ふわりと撫でた。
勇『何か理由あるの?
彼氏がああなった。』
ゆっくりでいいよと神宮寺くんは付け足す。
今までどんなに仲良くなった人にでも
決して話す事のなかった秘密。
だけど何だか彼には話しても良いかもと思えた。
「本当はちゃんと付き合ってる訳じゃないの。
私はずっと紫耀の事が好きだったけど
彼は元々私の姉の彼氏だったから。
三年前、私の不注意で起きた火事で
お姉ちゃんは亡くなったの。
私ね両親から嫌われてて
姉が大事な二人は
私の前を通り過ぎて、お姉ちゃんがいた二階に
助けに行ったの。
私はもう死んだと思った。
だけど助けに来た紫耀が意識を失った私を
抱きかかえて外に出たの。
その後すぐに消防が来たんだけど
お母さんもお父さんも
家中に回りきった炎に
身動きとれなくなったみたいで。
三人共病院に運ばれたんだけど
煙を吸い過ぎたお姉ちゃんだけ
助からなかった。
紫耀はね
未だに後悔してる。
あの時自分が私じゃなくて
朱里を助けに行ってれば
大切な恋人を失わずに済んだのにって。
一度も彼は私を責めたりしなかったけど
分かるの。
ずっと見て来たから。
お姉ちゃんが死んでからの紫耀は
まるで別人みたいだった。
私が憧れてた、明るくて優しい彼は
もうどこにもいなくなった。
私が彼から笑顔を奪ったの。
私があの時ちゃんと火に気をつけてたら
お姉ちゃんじゃなくて
私が代わりに死んでたら
紫耀は壊れずに済んだ。
紫耀はね
事故の後数ヶ月は私を見ると
亡くなったお姉ちゃんと重ねてたの。
朱里、朱里って何度も姉の名前を呼ぶ彼に
ただ頷いて微笑むと紫耀は落ち着きを取り戻した。
多分彼女が死んだ現実から
逃れられたからだと思う。
でも暫く経つと
段々現実を理解してお姉ちゃんが亡くなった事も
分かるようになった。
その時言われたの。
Aちゃんは俺から離れていかんでって。
これが私が犯した罪への報いなんだと思った。
だから決めたの
私が亡くなった恋人の代わりになるって。
今はだいぶ落ち着いて
普段は普通の恋人同士みたいなの。
たまに今日みたいに
私とお姉ちゃんを重ねる事があるみたいだけど
私がそばにいる限りは
彼は笑っていられる。
紫耀には
私がいないとダメなの。」
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紫樹(プロフ) - 神宮寺と主人公がどうなっていくのかすごい気になります^ ^ 頑張ってください！応援してます！ (2017年3月5日 14時) (
レス) id: 6e3ce78be8 (このIDを非表示/違反報告)
恋(ren)(プロフ) - りこさん» ありがとうございます！ (2017年2月25日 14時) (レス) id: 4779cb5bc5 (このIDを非表示/違反報告)
恋(ren)(プロフ) - まいさん» ありがとうございます！ (2017年2月25日 14時) (レス) id: 4779cb5bc5 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 複雑ですねー。ドキドキしました！ (2017年2月23日 16時) (レス) id: cd0a4f2848 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 毎回楽しみに読ませて頂いてます！更新頑張ってください！！ (2017年2月20日 22時) (レス) id: 9eda4f6ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋(ren)
| 作成日時：2017年2月11日 19時
