ダーククリスマス ページ2
一瞬にして白く染められた吐息が
今年の終わりが近付いてきたことを知らせる。
世間がクリスマスなんてイベントに
浮かれているこの時期が私は一年の中で最も嫌い。
あの日の出来事さえなければ
きっと今頃
私も彼も上手に笑えてた筈だから。
そして彼がおかしくなることも
私が亡くなった
姉の身代わりになることもなかったから。
「ただいま。」
灯り一つ付いてない暗闇の中
涙を啜る音だけが
静まり返った部屋に響き渡る。
その片隅で小さくなって座り込む
彼の手は真っ赤に染まっていた。
紫『朱里?
遅かったな。
めっちゃ寂しかってん。』
彼は私を他の女の名前で呼ぶ。
「ごめんね。
次のシフトの子が中々来なくて。
電話もあんなにくれてたのに
気付かなくて本当にごめんね。
もう大丈夫だから。
消毒しようか?」
私よりも大きな震える身体を
必死に包み込む。
彼は一生
もう戻っては来ない最愛の恋人を想って
自らを傷付け苦しみ続けるのだろうか。
私は一生
“朱里”と姉の名前で私を呼ぶ彼に
届かない愛を与え続けなければならないのか。
私の瞳から涙が零れる代わりに
彼の腕の傷口から
ぽたぽたと赤い水滴が
床に落ちた。
私は一生この人の傍を離れられない。
彼から大切なものを奪ったのは
紛れもなく私なのだから。
そして今も変わらず
私は彼を愛してしまっているから。
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紫樹(プロフ) - 神宮寺と主人公がどうなっていくのかすごい気になります^ ^ 頑張ってください！応援してます！ (2017年3月5日 14時) (
レス) id: 6e3ce78be8 (このIDを非表示/違反報告)
恋(ren)(プロフ) - りこさん» ありがとうございます！ (2017年2月25日 14時) (レス) id: 4779cb5bc5 (このIDを非表示/違反報告)
恋(ren)(プロフ) - まいさん» ありがとうございます！ (2017年2月25日 14時) (レス) id: 4779cb5bc5 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 複雑ですねー。ドキドキしました！ (2017年2月23日 16時) (レス) id: cd0a4f2848 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 毎回楽しみに読ませて頂いてます！更新頑張ってください！！ (2017年2月20日 22時) (レス) id: 9eda4f6ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋(ren)
| 作成日時：2017年2月11日 19時
