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34.変わらない ページ34

「んじゃ、おやすみ。」
「ん、おやすみ。」


Aは目を閉じて、うとうとと微睡み始める。隣の黒羽が何やらゴソゴソとしている気配がしてAは薄っすら目を開けた。


「……なにしてんの?」
「いや?お前の寝顔を見ておこうかと。」
「きっつ。おやすみバイバイ。」
「え、ちょっと待って。」

Aは顰め面でベッドの反対側に身体を向ける。それを受け、黒羽は慌てた様子でAを揺さぶるが、当のAは無視を決め込み、次第にそのまま眠りについたのだった。

「え、ちょ、まじで寝んの?おーい。」

Aからの反応は無く。すると、黒羽は「ちぇっ」と拗ねたように口を尖らせたあと、そのまま大人しく横になる。
そして、Aの背中をジッと見つめて呟いた。


「基本面倒臭がりな癖して、変なとこお人好しなんだよなあ。オメーはよ。」


正体がバレてもなお、いつもと変わらない態度のこの男に少しだけ安堵した自分がいた。
なんだかそれが悔しくて、4、5歳年の離れた幼馴染の背中に、黒羽は思い切りデコピンを食らわせてやった。

「ん"っ……、」とAの口から呻き声が漏れる。
しかし、そのまま起きる様子は無く、再び規則正しい寝息を立て始めた。

黒羽はそれを見てけらりと笑うと、Aに背中を向けて自分も目を閉じるのだった。

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作者名:ゐるか | 作成日時:2018年5月20日 0時

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