12話 ページ12
僕は一旦ここで映像を止めた。それから巻き戻して再生する。
《さっさと行くぞ、ジェレミー》
映像の中にクリフがいなければ僕ではなく他のジェレミーだと考えることも出来たかもしれない。だが映っていたのはまぎれもなく僕だった。
思わず頭を触る。こんなものを被せられていたのか。それもどうやら被っていれば安全らしい。布の疑問は解けた。問題は僕がここに来るまでの経緯を一切覚えていないということだ。
映像はまだ続いている。色とりどりの光を放つ観覧車やメリーゴーランドを通り過ぎてお化け屋敷の前まで来るとカメラが人形を映す。
《うわ、気持ち悪い行列だな。ジェレミー、試しに触ってみろよ》
《嫌だよ》
《何だよ怖がりだな。おーい皆、ジェレミーが友達になりたいってさ。握手しようぜ》
《やめろって！》
映像を観ている僕自身も動き出すのではないかと気が気でならなかった。何も起きないのでクリフが今度は自分で人形の肩を掴んだり顔の前で手を振ったりしたが結局動くことはなかった。
普通は人形は自力では動かないものだ。だが僕にはもうそれを当たり前だと思うことが出来なくなっていた。つい先ほど目の前で人形が動いたのをこの目で見てしまったのだから。
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真紅エレン(プロフ) - キャリーさん» ありがとうございます (2016年6月15日 18時) (
レス) id: 51b325c414 (このIDを非表示/違反報告)
キャリー - アドバイスです!!少し空白を入れた方が読みやすいです！ (2016年6月15日 1時) (レス) id: a668f1fb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真紅エレン | 作成日時：2016年5月25日 20時
