二人の彼氏《青と桃》 (ページ6)

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6話ページ6

望side

「…流星」

振り返ると最高潮に機嫌の悪そうな
流星が立ってた

青「Aから離れて、望」

桃「はぁ、はいはい」

ぱっと俺がAから手を離すと
すぐさま走ってAに背後から抱きついた

『んん…りゅう、せ？』

眠そうに目を擦りながら
Aが目を開ける

流星は黙ったまんま
俺を睨みつけてAを抱きしめる

桃「まだ髪の毛乾いてへんやん」

青「…ドライヤーの場所分からんかってん
ほんで、Aに聞きに来たら
この状態や。」

桃「別にええやろ？
Aは俺の彼女なんやから」

青「…」

俺が曽良野さん呼びからA呼びに
なったのに気づいたんか更に眉を寄せる流星

青「気に食わん。」

桃「…」

俺らは元から仲は良くなかった

やって、同じ学園の王子なんて
呼ばれとるし…

軽くお互いライバル意識はしてたと思う

やのに、好きな人まで同じとか…

ますます、険悪になるわな。

青「…」

桃「…」

『…おなかすいた』

重い沈黙を破ったのはA

青「俺もや」

桃「俺も～」

そして、流星と目が合う

こういう時、俺らの意見は
何故か同じやねん

「「Aの手料理食べたい」」

『ええぇ…？』

Aは何か考える素振りをみせてから
ポンッと手を鳴らした

『お好み焼き！どう？』

桃「おぉ！！それで決定や！！」

青「食べる…」

桃「流星、Aから離れて」

まだAを抱きしめる流星を
引っ剥がした

『私、買い出し行ってくる』

青「着いてく」

桃「俺がついてく」

『えっええよ！１人で』

桃「何言ってん。女の子一人は危ない」

そう言って、Aの頭に手を置く

流星は眉を寄せて、俺の手をはじき
また後ろから抱きしめやがった

『んんー……じゃあ、望と行く』

桃「やった！！！」

青「いややぁ…なんで俺やないの？」

流星がAの首に顔を埋める

『流星、まだ髪の毛乾かしてへんし
お風呂上がりは風邪ひくやろ？』

青「……わかったぁ」

そっと流星がAから離れた

『ドライヤーは洗面台の右側の棚にあるから！
大人しく待っとってな？？』

青「うん………望、変なことすんなよ」

Aに向けとった優しそうな瞳から
一変して俺をきつく睨む流星

そんな怖い顔せんといてや、流星。

俺は隙あればAを
俺色に染めたいだけ。