＊36 ページ36
.
「なあ、俺ん家泊まる？」
『えっ、何言ってるの？』
「俺ん家やったらここから30分くらいで着くし、職場までもそんな遠くない。」
廉の話を聞く感じだと、わたしの職場を挟んでそれぞれ30分くらいの場所にお互いの家があるようだった。
『意外と近くに住んでたんだ…』
仕事帰りに普段と逆の電車にのって、同じ時間だけ揺られればそこには廉がいたのに。
それくらいの距離にいたのに。
10年間1度もばったり会うことがなかったのは
それはそれで運命だったのかな、なんて。
「俺もびっくりしたよ。紫耀にAのいる場所教えられた時、知ってる歯医者の名前書いてあるんやもん(笑)」
『そうだったんだ…』
近くにいるのに会えなくて、知っている場所なのに行く必要がなくて、でもわたし達はまた再会することが出来た。
色々な偶然が重なって今があること。
それがどれだけすごいことか痛いほどに実感した。
.
「んで？泊まってくやろ？」
『泊まってかないよ。』
「何でなん？職場まで時間変わらへんのやから、はよ帰れる家の方がええやろ？」
そういう事じゃないのだ。
わたしは廉にまた出会えたことを無駄にはしたくない。
わたしたちはきっとあの頃みたいな幼なじみにはもう戻れなくて、０か１００しか選択肢はないのだ。
つまり、友達か恋人かの二択。
後者になることはないから、わたしが選ばなければいけないのは前者だ。
廉の友達としての距離感を守らないとならない。
『大丈夫、家帰る。』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あきここ(プロフ) - 初めまして！私はキンプリは知っている程度だったのですが、たまたまツクールでこの作品を読んで廉くんが好きになりキンプリのファンになったんです！久しぶりに読んでいますが胸がキュンキュンしてます。素敵なお話をありがとうございます！ (2019年4月23日 18時) (
レス) id: e89ce4375a (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 最初から一気読みしました。やっぱりハッピーエンドがいいですよねっ。お互いに相手の事を考えてる二人が幸せになってくれて気持ちがほっこりしました。素敵なお話有難うございました!! (2018年10月1日 10時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - maoさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！そんな風に言っていただけるのがほんとに嬉しいです（ ; ; ） (2018年9月28日 22時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです(^-^) (2018年9月28日 22時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
mao(プロフ) - 本当に本当に感動しました！！書いてくれてありがとう！！！！！！これからも素敵な作品を書いてください！ (2018年9月26日 23時) (レス) id: fb992fc416 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るる
| 作成日時：2018年9月4日 21時
