風磨18 ページ46
…
「Aどうする?くる?」
「え…。じゃ、邪魔?」
「は?んなわけ。じゃなくて、もう定時過ぎてんだろ。」
「そんなの、行くに決まってんじゃん。」
「ふふ、うん。じゃあ一緒にいっちょ戦いますか。」
「うん!」
「資料みたいから運転してもらっていい?」
「もちろん。」
車に乗り込んで風磨がナビをセットしてくれてそれを頼りに車を走らせた。
夏が近づき、外はまだまだ明るくて夕日を頼りに風磨が資料をパラパラと捲っていく。
「うん、完璧だわ。凄いじゃん。」
「・・・あ、ありがとうございます。」
ついにあの菊池さんからの「凄いじゃん」頂きました。
こんな日がくるとはね!?
泣きそうなんだけど。
「今から行くところね、以前に担当したブライト食品って企業の担当者さんが紹介してくれたところなの。だから今までに取引をしたことはないんだけど…。」
そこまで言って風磨が言葉を止めた。
伏し目に落とされた瞳が珍しくほんの少しだけ自信なさげに揺れる。
「でも、絶対に逃さないんでしょ?」
「うん。だな。」
「大丈夫よ。」
「ん。」
急に弱気にならないで。
風磨の熱意は絶対に伝わるから。
大丈夫。私は信じてる。
次に信号が赤になり見つめた風磨はもういつもの自信に満ちた風磨だった。
目的地に辿り着いてエントランスに入るとすぐに電話相手だった蛯原社長が出迎えてくれた。
挨拶を交わしながらミーティングルームに通され、さっそく本題に入った。
まずは資料をお渡しして、風磨が解り易く具体的な説明をしていく。
蛯原社長は相槌を打ちながら資料を真剣に確認してくださっていて、私はその様子に膝の上に置いた手が自然と拳を強く握ってしまう。
「ここは、具体的にどのような内容ですか?」
資料を指差して尋ねられた。
風磨はその手元を確認して、その後、私に視線を寄越した。
ん・・・?
「資料はAが作成しましたので、彼女から説明させて頂きます。」
え、嘘。
こんな大事な場面で私に任せてくれるわけ?
怖い。でも私、風磨の期待に応えたい。
風磨と一緒に戦って、一緒に勝ち取りたい。
私が風磨の目を見てコクリと頷くと風磨も同じように頷いた。
大丈夫。
この1ヵ月間、風磨の隣で学んだことはとても大きい。
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イチ(プロフ) - ともさん» お仕事なんですね。頑張ってください(^^) (2019年8月10日 11時) (レス) id: 89e040e4cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - いや!そうゆう意味で言った訳じゃないんです!更新して頂けるだけで嬉しいので!続き読んで仕事頑張りまーす♪ (2019年8月10日 11時) (レス) id: 7123fab471 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - ともさん» 最近いっつも夜中更新ばっかりしてごめんなさい。。今日は早い時間で・・・w (2019年8月10日 11時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - 美月さん» でも健人さんもめちゃくちゃ強いんで・・・w一緒に悩みましょう。 (2019年8月10日 11時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - 美沙さん» 移行しましたのでぜひぜひよろしくお願いします!!風磨くんめっちゃ優しいです・・・w (2019年8月10日 11時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチ x他1人 | 作成日時:2019年3月27日 17時