年下上司に振り回されています-fmkn

風磨11 ページ39

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風磨の仕事ぶりは無駄がない。

卒なくこなすって表現がぴったりで効率が悪いのは嫌いだと言っていた通り。

持参する手土産ひとつをとっても抜かりがないんだ。

実はめちゃくちゃ物腰低くてさ。

記憶力もいいの。

人に好かれる要素がたくさんあるよね。

もう何度か風磨と一緒にこのCMに関わる多種多様な業者へと打ち合わせに出向いた。

風磨の仕事って幅広い。

あれだけ電話が多い理由もすぐに解った。

CMってたくさんの企業が関わって作られてる。

それら全てをまとめるのが風磨の仕事。

CMを撮ってもらう制作会社はもちろん、CMに伴って使用する促販物を制作する業者の手配、クライアントだけでなくそれら関わる全ての企業への対応どれも卒がない。

無駄がないってことは遊びの時間もないってことで。

もしかしたら1日のスケジュールが風磨の頭の中では分刻みで決まっているのかも。

本当、そんな感じにどんどんとこなしていくんだよね。

移動時間にも資料のチェックをしているし、電話もかなり多い。

最初の数日はただ付いて行くのに必死だった。

でもだんだんと、なんとなくそのサイクルが見えてきた。

風磨が何かして欲しいタイミングが見えてきたっていうか。

なんといっても私、アンテナめっちゃ張ってるからね。

だってこっちが何も言わなかったら風磨は淡々と一人でこなしていってしまって、本当において行かれてしまうんだって感じる。

それじゃこの１ヵ月の意味がない。

せっかく隣にいさせてもらえてるんだもん。

自分で何か探していかなきゃただの運転手。

そうありたいわけではないから。

それに、やっぱり仕事をしている風磨は凄いの。

仕事をこなすスピードもアポイントの取り方も相手との距離の詰め方も。

手配力も、コネクションも何もかも。

やっぱり尊敬できるなって。

私もそうなりたいって。

いきなりそうはなれなくても、力になりたいって。

そう思うんだ。

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