健人13 ページ16
…
「…って、なんで部屋が隣同士なんだよ。」
「や、あの…。」
「一応俺男だし、その辺さぁ…。」
部屋番号を見た健人さんがすごく困った顔してる。どうしよ。前の職場でホテルの手配なんてしたことなくて、そんな気遣い思い付きもしなかった…。
「すみません、フロントに聞きます!」
「いいよ俺が行く。」
と、キーを片手につかつかとフロントに交渉に行ったものの。
「…部屋いっぱいだって。」
はぁ、とひとつため息をつかれ。結局健人さんと私は隣同士の部屋にチェックインした。
「…疲れた。」
私はどっさりとベッドに横になった。
「健人さんタフだ…。」
長野まで三時間かかって、そこからそのまま農園はしごだったの。
それに。
帰りのタクシーの中で。
「…そろそろ名前で呼んでよ俺の事。」
「え?え?」
名前、って言った?
慌てる私に、中島さんはしたり顔。
「そう慌てるな。」
「でも、」
「距離詰めてよ、もっと。遠慮してちゃいいもの作れないよ?」
そう、なのかな。
確かに。今まだ私は中島さんにどこまで言ったらいいのか分からずに遠慮してる。
ちゃんと、分かってくれてるんだな。
こう言ってくれてるんだし、ここは素直に言いなりになるか。
「分かりました。健人さん、って呼んでもいいですか?」
「ん。そうして。」
という訳で、健人さん呼びになったんだ。
ちょっとまぶしそうな顔をすると、健人さんはブルーベリーうまかったね、と呟いた。
「はい。」
「絶対俺、オセロチョコを売上ナンバーワンにする。だからAちゃんの力、もっと貸して。」
「はい。いっぱい考えます。」
「頼りにしてるよ。」
急に決まった出張だったけど、生産者の方にお会いできて価値観がすごく変わった。
来て、良かったな。
それから、健人さんに晩ご飯をご馳走になって。部屋に戻ってシャワーを浴びた私は少し眠ってしまってた。
「ん…LINE…?」
通知音がして寝ぼけながらスマホを手に取ると、健人さんからのメッセージが届いてた。
『疲れてるとこごめん。ちょっとだけ打ち合わせしたいんだけどいいかな。』
『はい。新しい案ですか?』
『今からそっち行っていい?』
え。
待って、今から?
すっぴんだし浴衣だしどうしよう。
慌てる私の背後で、ドアをノックする音がしてる。
健人さんっ、せっかちすぎじゃない???
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イチ(プロフ) - ともさん» お仕事なんですね。頑張ってください(^^) (2019年8月10日 11時) (レス) id: 89e040e4cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - いや!そうゆう意味で言った訳じゃないんです!更新して頂けるだけで嬉しいので!続き読んで仕事頑張りまーす♪ (2019年8月10日 11時) (レス) id: 7123fab471 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - ともさん» 最近いっつも夜中更新ばっかりしてごめんなさい。。今日は早い時間で・・・w (2019年8月10日 11時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - 美月さん» でも健人さんもめちゃくちゃ強いんで・・・w一緒に悩みましょう。 (2019年8月10日 11時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - 美沙さん» 移行しましたのでぜひぜひよろしくお願いします!!風磨くんめっちゃ優しいです・・・w (2019年8月10日 11時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチ x他1人 | 作成日時:2019年3月27日 17時