恋 と か 愛 と か / １（ ＳＺ ）

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放課後、自転車の健人くんと分かれて風磨とプラプラ歩く。




貴「チョコバナナパンケーキって…健人くんのセンス最高」

風「中島もバナナ好きらしいよ」

貴「へえ！バナナ最強だもんな〜」




なんて中身のない話をしながら10分くらい歩いて、健人くんのバイト先のカフェに来たわけですけども。




貴「…オシャレすぎない？」

風「…まあ中島がバイトしてる店だもんな」

貴「健人くん自体がオシャレだもんね…」

風「とりあえず入んねえとパンケーキ食えねえけど どうすんの」

貴「…入ろう」




アンティーク調のドアを恐る恐る押すと、ベルのチリン、って音。

…大丈夫かな、私も風磨も制服だよ？

恐る恐る店内を見たら、案外 制服姿の人も多くて安心。

私たちに気づいた健人くんが あ！って顔して駆け寄ってきた。かわいい。




健「いらっしゃいませ(笑)」

貴「うわ！健人くんめちゃくちゃかっこいい！」

健「本当？ありがとう」




キラキラ笑いながら案内してくれる健人くん。

…これは言い寄りたくもなるってほんとに。

圧倒的キラキラ。すごいな。




健「声したから来ると思った」

風「…お前の恥ずかしい会話丸聞こえだったみたいよ」

貴「まじすか…」

健「俺そんなオシャレじゃないから(笑)」




ふふ、って笑いながらお水をコトンって置いてる健人くんに、お客さんの視線はクギヅケ。




健「何にする？」

風「これとー、俺コーヒー、Aは？」

貴「…ミルクティ」

健「はーい、少々お待ちください」




ぼー、っと健人くんを見ながら水を飲んでる風磨。

…男でも見惚れるかっこよさか。




風「ありゃ言い寄られても仕方ねえよな」

貴「あれ、風磨知ってるの？」

風「まあね、彼女役頼まれたんでしょ？」

貴「うん、」

風「…多分あの子、中島に言い寄ってる子」




風磨の指さす先を見たら、クルンとした髪のポニーテールの可愛い子。

ねえなかじまくーん、ってギャルソンエプロンの裾をツンツンしてる、いかにもモテそうな女の子。




貴「…え？可愛いじゃん」

風「そうか？」

貴「もうちょっとなんかこう…」

風「ブスだと思ってた？(笑)」

貴「や、あの…うん」

風「気ぃ強そうじゃん、お前大丈夫なの？」

貴「…がんばる」




困った顔してる健人くんを見てたら、健人くんがふとこっちを見て
照れ臭そうに小さく手を振るから振り返したら 女の子が怪訝そうな顔で私を見た。

…怖い。

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