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『ねぇ、風磨。ホストクラブの素性の知らない男に貢ぐのってどう思う?』
「は?何だよ突然。」
休憩中、ふと思ったことを聞いてみた。
『わたしはね、アホじゃないのかな〜って思うんだけど。』
「合ってるだろ、その感覚で。」
『でも友達は、たとえ嘘でも優しい言葉をかけて貰えると嬉しくて幸せになるから何回でも会いに行っちゃうって言ってた。アイドルと同じだって。』
「考え方は人それぞれだろうけど、俺はAにはそんな風になって欲しくねぇよ?」
『うん、わたしは大丈夫』
自分の考えを、合ってるよと肯定してくれて
尚且つ、そのままでいろと言ったニュアンスの言葉をくれる風磨。
いつも彼はわたしの欲しい言葉をくれる。
好きになったのはいつだったかな。
バイトを始めた時、既に彼はここで働いていて
第一印象はあまりよくなかった記憶がある。
お客さんの前ではニコニコしているけれど、休憩室では無愛想で同じ部屋にいるのが苦痛だったくらいだ。
そんな苦手意識のあった風磨だけど
わたしが厨房でラテアートの練習をしていれば
無愛想ながらも丁寧に教えてくれたり、何より彼の腕前はものすごくて単純に尊敬し始めたところから全ては始まったような気がする。
最初は彼のことを知ろうともしなかったのに、少しずつ会話が増えていくうちに新しい発見が増えて、ほんとはよく笑う人なんだということを知った。
“おい” とか “お前” とか、そんな呼び方しかしてこなかった風磨にある時腹が立って、『名前ちゃんとあるんですけど!』 と反発してしまったことがある。
その時、少し恥ずかしそうに「わりぃ、A……」と言った彼の顔を見て、自分の心の変化に気づいてしまった。
彼との日々の触れ合いの中で、知らない間にすきになっていた、と。
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ひかる - 久しぶりに風磨メインの話を読んで、セクゾなら風磨推しな私はキュンキュンしました笑 展開は切なくもどかしい感じだったのに最後は意外とあっさりくっついちゃったから、その後の二人を見たいなぁなんて笑 (2018年10月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Fukaさん» ファンだなんてそんな風に言って頂けて嬉しいです( ; ; )!機会があれば続編もかきたいと思っていますのでその時はよろしくお願いします。 (2018年8月1日 21時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
Fuka - このお話大好きです!!続編見たいです!私は、るるさんのファンです! (2018年8月1日 19時) (レス) id: 1cbdf53904 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ゆんさん» ゆんさま*コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、ほんとにとっても嬉しい限りです!応援のお言葉をバネにして新作も書き上げていきますので是非ご覧下さい。 (2018年7月17日 7時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ゆうかさん» ゆうかさま*コメントありがとうございます!続編のお声を頂いたのは初めてでとても嬉しい気持ちです!いつか続編を書く時がありましたら、その時はまた読んでいただけると嬉しいです! (2018年7月17日 7時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2018年6月25日 22時