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「来たんだね、」
『うん。もう決めたから。』
また足を踏み入れてしまった風磨のいる店。
指名したからと言って、すぐにテーブルについてくれるわけではない。
なんせナンバーワンだから、
「フウさん来るまでは俺に相手させてよ。」
『うん、ショウくんならいいよ』
わたしはバイトの掛け持ちを始めた。
さすがに今のところだけでは、こんな場所に通えるほどのお金なんて貯まらない。
でも夜の仕事に手を出す勇気はないちっぽけな人間だから、地道にこつこつ働くしかないのだ。
「顔が疲れてる。無理してない?」
『平気。』
ショウくんが言っていた、無理しないで。というのはきっとお金のことだ。
風磨の指名には、ほかの人より指名料が高く付き
尚且つナンバーワンの彼がひとつのテーブルにいられる時間は数十分だけ。
明らかに採算が合わないのだ。
その上、個室にしたりだとかなんだとかオプションを付ければ値段は跳ね上がる。
『同じメニューだとしてショウくんの何倍?』
「んー、考えるだけ無駄なくらい天と地かな(笑)」
『すごいんだね、風磨は。』
わたしがこれから会うのは風磨じゃなくて、フウさん。
別人として彼に上手く接せるのだうか。
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「おまたせしました、フウです」
『ふふ、待ってた。ここどうぞ』
「じゃあ遠慮なく隣すわっちゃおうかな」
1度狂い始めた歯車はそう簡単には戻ることを知らない。
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ひかる - 久しぶりに風磨メインの話を読んで、セクゾなら風磨推しな私はキュンキュンしました笑 展開は切なくもどかしい感じだったのに最後は意外とあっさりくっついちゃったから、その後の二人を見たいなぁなんて笑 (2018年10月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Fukaさん» ファンだなんてそんな風に言って頂けて嬉しいです( ; ; )!機会があれば続編もかきたいと思っていますのでその時はよろしくお願いします。 (2018年8月1日 21時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
Fuka - このお話大好きです!!続編見たいです!私は、るるさんのファンです! (2018年8月1日 19時) (レス) id: 1cbdf53904 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ゆんさん» ゆんさま*コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けて、ほんとにとっても嬉しい限りです!応援のお言葉をバネにして新作も書き上げていきますので是非ご覧下さい。 (2018年7月17日 7時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ゆうかさん» ゆうかさま*コメントありがとうございます!続編のお声を頂いたのは初めてでとても嬉しい気持ちです!いつか続編を書く時がありましたら、その時はまた読んでいただけると嬉しいです! (2018年7月17日 7時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2018年6月25日 22時