検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:300,038 hit

ページ15

TH「ごめんごめん、
遅くなったね」




『…………、』




TH「嘘!まだ何にも頼んでなかったの?!
信じられない!早く頼もう」









ってテヒョンがメニューを広げる。









何も食べる気分にはなれなかった。
それでもテヒョンに不審に思われないように
ケーキと紅茶を頼んだ。









TH「どう?2人は打ち解けた?」





『…………、』




JK「ヒョン、忘れてないですか?
僕たち出会ったばっかりですよ」






ってグクの嘘に、
私は小さく力なく笑った。









TH「ここだけの話だけどさー、
Aの初恋の人も、
確か電車の脱線事故が
どうのこうのって言ってなかったっけ?」




息を飲んだのは
私じゃなくてグクだった。
真正面にいるグクは、
その大きな目をもっと大きくして、
澄んだ瞳をもっと宝石のように
輝かせて私を凝視した。









JK「………………初恋、の人?」








TH「高校のときだっけ?教えてくれたよね?」








『…………そうだっけ、忘れた』









って努めて冷たい声で私は言った。
私は上手に嘘をつけてるんだろうか。









その瞬間、









…………………カラン、






グクの使ってたフォークが床に落ちた。









車椅子のグクは拾うことが出来ずに
呆然としてるところを、
私は席を立って、
落ちたフォークをグクに渡した。









JK「……ありがとう、ございます」








その瞳を直視できなくて、







『………っ、店員さん!すみません!
替えのフォーク持ってきていただけますか?』









近くで見ると、
グクはほんとうに、
車椅子の生活を送ってるんだ、
と感じて
ズシン、と体の奥が何かで
落ちてしまったような感覚になる。









何年もずっと
一人で怪我と戦ってたの、?

それを私に言うって
選択肢はグクの中にはなかったの、?









あの頃の私とグクはたしかに
友人でも勿論恋人でもなかったけど、
でも。

何にも分類できない
曖昧で、でも強い
心の関係があったって
私は信じて疑わない。









.

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (777 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1158人がお気に入り
設定タグ:BTS , テヒョン , ジョングク
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

chi134340(プロフ) - はじめまして 久しぶりにこちらの作品を読ませていただきました。初恋の切なさ,儚さに胸が締めつけられました。大好きです。こんな素敵な作品を書いてくださってありがとうございます。これからも応援しています。 (8月28日 20時) (レス) id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - この作品本当に素敵ですね、マジで涙出そうだったけどちゃんと耐えました!(なんの報告かわかりません) (8月10日 11時) (レス) @page36 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
やきにくさん(プロフ) - かれんさん» かれん様 そのようなニュースがあったんですね…。世間知らずでごめんなさい、、多少海外の映画を参考にしましたが、完全フィクションです。 (2022年8月22日 22時) (レス) id: a5db14d0d3 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 日比谷線の脱線事故を題材に書かれてますか?? (2022年8月20日 10時) (レス) @page36 id: c19a77d80d (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 誰の視点にたっても切なくて苦しくて、儚い。絶対に正しい答えなんてないけどほんとにみんなに幸せになってもらいたいと思いました。涙腺崩壊、大好きなお話です (2022年6月22日 1時) (レス) id: c19a77d80d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やきにくさん | 作成日時:2020年12月28日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。