師匠、曲できました。【YG】 (ページ20)

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『え？なんのことですか？』

YG「そっか、まだ知らないか」

パソコンを開いて、
ユンギさんが見せてくれた映像。
テレビのニュースだった。

“防弾少年団JIN、兵役について言及”

『え？…………………………えぇ？！っ」

こないだソクジンさんに会ったとき、
“男は男で大変なのよ”って、
こういう意味だったのか。

『じゃあ、ユンギさんもいつかは………』

YG「まぁ、だから、俺が帰って来るまでには
俺のために曲作っといてくれると助かるかな」

『そんなの、、、
ユンギさんほんとうに兵役、
いつか行っちゃうんですか？』

YG「え？男だし、仕方なくね？」

ってユンギさんは笑った。

それって、どのくらい待てばいいんですか。
いつ、帰って来るんですか。

なんて、きっと私がいうべき言葉じゃなくて。
その言葉が許されるのは
バンタンのファンの皆さんで。
でも私だって、バンタンを見て身近に感じて
生きてきたわけで。

そもそも兵役なんて制度なくなればいいのに
なんて言葉が喉まで出かけて
でもそれは日本人の私が言って良いことか
わからなくて。

YG「あ、じゃあこうしよう」

ユンギさんが
自分の胸に付けてたネックレスを取った。

シルバーのギターのピックを通したネックレス。

ユンギさんが私の長い髪を
優しく掴んで
片方に流してくれた。

ネックレスを私に付けながら
話すと、
ユンギさんの吐息を首に感じた。

YG「ピック、なくしたんなら、俺の付けてて。
そんで、俺がもし、兵役から帰って来たら、
その時、返して。
今度は無くすなよ」

シルバーのピックはユンギさんのもの。
私はいつもやってたみたいに
ぎゅっとそれを握りしめた。

シルバーのピックと、
ユンギさんが作った曲があれば
私はなんだって出来る気がした。

『兵役から戻って
ユンギさんに再会したときに言う言葉、
私もう、決めました』

YG「んー？なに？」

そのときは

“師匠、曲できました！”って

ばかでかい声でそう言おう。

『内緒！』

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