師匠、曲できました。【YG】 (ページ18)

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ユウナ「曲が始まる前に
Aちゃんが、毎回、
大事そうにネックレスをギュッて握ってから
踊るでしょう？
それくらい大事なものってみんな分かってるはず
なのに、
ほんとに、誰が取ったんだろうね。
信じられないよ、、」

久々に日本語を聞いたなぁと、
同じ日本人の練習生のユウナが
声をかけてくれた。

『大事な人からもらった大事なものなんだよね』

ユウナ「お母さんとかお父さん？」

『……んー、……師匠！』

ユウナ「Aちゃん、師匠いたんだね？笑」

『うん。師匠とお揃いなんだー』

ユウナ「デビューの話は本当なの？」

『それはー……うん』

ユウナ「そうなんだ！良かった！
あのね、私、本当に嬉しいの。
Aちゃんのデビューが決まって。
同じ日本人の女の子が、
こうやってハイブの練習生で頑張って来て、
デビューなんて。
Aちゃんって、…」

『ん？私って？』

ユウナ「私の夢。私の夢だよ」

私を見るユウナの瞳は、
キラキラしててウルウルしてて。

練習室の隅っこで
汗だくの練習着のまま、
体育座りして
こうやって話している
今この瞬間を
私はデビューしても忘れてはいけないと思った。

ユウナだけじゃなくて。
まだ出会えてない、
アイドルを夢見てる小さな女の子の夢まで
私は背負ってるんだろうか。

『私が頑張れたのはユウナのおかげだよ』

私たちは
強く抱き合った。

ユウナの首から肩は
汗で少しだけ濡れてたけど
私は気にしなかった。
どうせ私だって
汗だくだから。

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