ホストさんとシェフさん【BTS】 (ページ10)

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JK「おばちゃん。ロゼトッポギと、甘辛トッポギ2人前。うーん、やっぱ嘘。俺2人前食べたいから3人前で。」

おば「はいよーっ」

『……私も自分で味選びたかったんですけど(小声)』

JK「俺のセレクト間違えないから信じて？
おばちゃんのトッポギまじうまいから」

出店の外のプラスチックの椅子に
ジョングクさんと向かい合って座った。

お店以外の外で会うと、
なんだか変な感じがする。

JK「俺がホストで全然人気なかったとき、
ここのおばちゃんにお世話になったんだよね
無料でトッポギくれたり。」

『昔から食欲旺盛だったんですね。』

JK「まぁね。健在だよ」

『………昔、人気なかったんですか？』

JK「うん。人見知りで話せなかったかな。
今は仕事でもプライベートでも、
それなりに話せる人間になったけどね」

『そうなんですか、』

夏の朝の風で
ジョングクさんの髪が揺れる。

綺麗な黒髪についてたワックスは、
もう取れかけてた。

『ホソクさんが、前に、
“みんな色々抱えてる”って言ってました。
明るく見えても、
ホストクラブのみんなは
なにか悩みでもあるんでしょうか』

JK「………ふぅーん、
ホソギヒョンそんなこと言ってたんだ」

『ジョングクさんは、どうしてホストに？』

JK「あ、トッポギ来たよ」

私の質問を無視して、
ジョングクさんは
湯気の上がったトッポギを大事そうに
食べ始めた。

私も、ジョングクさんと同じように
トッポギを食べた。

なんだこれ、めちゃくちゃうまい。

JK「俺ねー、ぶっちゃけ
ホストでもアイドルでも殺人鬼でも
なんでも良かったんだよね。」

『え？』

JK「ヒョン達が好きだから、
あのクラブで働いてる。
別にホストってのにはこだわりないんだ。
ただ、あそこしか居場所がないってだけ」

ふはは、って笑うと
やっぱりジョングクさんの
目尻には小さなシワができた。

私は少しだけ自分を責めた。

私が嫌々来たその場所は、
ジョングクさんにとっては
唯一の居場所だったんだ。

『私、がんばりますね。私なりに』

って言った一言を聞いて、
ジョングクさんはまた
ふはは、と
柔らかく笑った。

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