ホストさんとシェフさん【BTS】 (ページ6)

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『わっ』

HS「………なに？」

みんな帰ったと思ったら、
ホソクさんがいた。

外にも通じる非常階段のとこで、
ホソクさんはタバコを吸ってた。

『意外、ですね？』

HS「なにが？…あ、たばこ？」

『はい、』

HS「まぁ、たまにね。
嫌なことがあったときね」

『嫌なこと、あったんですか？』

って、聞いて、
しまった、って思った。

ホソクさんの入ってこられたくない領域に
触れちゃったかな。

ホソクさんは苦笑いしてから、
真夜中のネオン街に視線を移した。

HS「……帰り、遅くなると危ないよ。
女の子なんだから気をつけないと」

『はい…ただ、引き継ぎとか何もないので
キッチンの場所とかメニューとか
色々把握しなきゃいけないこと多くて』

HS「そっか。元はレストラン希望で、
ホストクラブでがっかりって感じ？」

『正直言うと、そう、ですね。
ホソクさんは最初から
ホスト目指してたんですか？』

HS「あはは笑そういう男に見える？笑
………違うよ。お金のために、かなー」

って苦笑いしたから、
もう聞くなって意味かな。

私は黙って
ホソクさんと同じように真夜中の
ネオン街を見つめた。

HS「まぁ、みんな。何かしら抱えてるよね」

って、言いながら、
ホソクさんの周りには灰色の煙が
漂った。

第一印象は誰よりも
明るくて優しい人だと思ったけど。

ホソクさんって、ミステリアスだ。

『私、お先に失礼します、ね？』

HS「うん。あ、待って。携帯貸して」

『え？』

HS「俺の連絡先。夜、ここらへんマジで危ないから、
なんかあったら電話して。飛んでくから」

『飛んでくんですか？』

HS「飛んでくよ、まじで早いよ、俺」

って、明るいホソクさんに戻って
にこやかに微笑んだ。

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