My Beautiful Tragedy 【YG・JN】 (ページ6)

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YG ページ6

その日はいつも通り、

雑にスーツを脱いでシャワーを浴びて、
なだれ込むようにベッドで寝た。

ジンヒョンに殴られたほっぺが痛い。

目を瞑ってしばらくしたら、

『おかえり！また沢山そんなに飲んで…
フラフラじゃん！』

って俺を支えてくれるA。

きっと、夢だけど

夢でしかないけど

首と耳の生温かい部分から香る匂いは、

なんつぅの、絶対お前の匂いで、

甘ったるいその匂いはやけにリアルで。

もっと近づきたい。

もっと嗅ぎたい。

って俺、やばい奴かって。

『わ！ほっぺどうしたの？真っ赤だよ！
保冷剤とかで冷たくしないとっ』

トタトタ走ってく背中は
あいつそのもので。

重心が高いからお前はよく転ぶんだ、
って何回俺が言っても
ペンギンみたいな歩き方。

YG「なあ、なんで俺にしたの？
俺じゃなくてジンヒョンみたいな男と
一緒になれば幸せになれたんじゃないの」

保冷剤を俺のほっぺに置いた
Aは不思議そうに俺を見る

『何言ってるの？
私はユンギと生きて幸せだったよ』

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長い長い夢を見た気がする。

枕カバーは濡れてて、

夢を見てる間、俺は泣いてたんだろうか

枕にはシミがある。

YG「あ、れ？」

夢の中に出てきた保冷剤がそのまま

俺の手に握られてて。

夢、だったんだよな。

あれは。

朝日が昇る。

窓を開けて寝たつもりはないのに

窓が開いてて、風でカーテンが揺れる。

久しぶりの晴れだ。

『ユンギ、おはよう』

YG「…………………………………え、」

まだ、夢なのか、？

『今日は早く起きたね。いつもこのくらい早く起きてくれると助かるんだけどなぁ』

まったりした声。

YG「なん、で、」

死んだはずのAが、

いつもと変わらず、同じように、

そこに、いた。

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