YG ページ27
もうAはいないのに。
幽霊になったってのに。
律儀に俺は、
半分空けて、ベットに横たわる。
一人で寝るには広すぎるし、
少し、冷たい。
YG「幽霊って、さ、」
『うん？』
向かい合ってベットでこうして横たわると、
触れないAから
やっぱり甘ったるくて懐かしい匂いだけする。
YG「幽霊って、できないの」
Aの頭を撫でたその手は、
何の感触もなくベットに落ちる。
ふれたい。さわりたい。
大事に、したい。
『できないって、なにが？』
YG「そういうこと」
『……ん？そういうことって？』
YG「俺、お前が死んでから
だいぶ溜まってるんだけど」
『…………………、わっ！んなっ！
なんてこと、お！』
YG 「……しょうがないじゃん、男だから」
『一人でやってよ！』
YG「じゃあ脱いでよ」
『なんでそーなんのよ！』
YG「ははっ、やっぱ最高だな、俺の嫁は。」
って笑ったら、
Aは俺の顔をまじまじと覗き込むように見る
『ユンギって、私のこと好きなの？』
YG「………はあ？そんなん、」
なんで聞くの、？
『……まぁ、いいや』
YG「良くない。なんでそんなこと聞くの」
『今更だけど、ユンギはユンギなりに、
私のことを愛してくれてたんだね』
YG「…言い方悪くなったらごめんだけど」
『何？』
YG「好きだから結婚するってのが一般論なら、
少し違ったかも。
俺は、結婚してから、好きになった。」
わかってるよ
YG「もう全部遅いけど。」
幽霊って、
ずっと一緒に居てくんないの
Aは幽霊だから老けないのか知らないけど。
独り身の可哀想に歳取ってく俺を、
Aは見守ってくんないの
『うっわっ、ユンギ、どうしよ』
YG「んー？」
.
.
.
.
『私、ユンギがどうしようもなく好きだよ。
本当に大好きだよ。
あなたと結婚して、
あなたの妻で良かった。
あなたが夫だってことは、
私の人生の数少ない誇りだよ』
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年7月31日 22時
