YG ページ26
YG「ただいま。」
『おかえりー、ソクジンさんどうだった？』
YG「歩けないくらい飲んで、
フラフラだったから
タクシー捕まえて乗せてあげた」
『あちゃー、そうだったかぁ』
YG「………なんで俺だったの、？」
『ん？』
YG「ジンヒョンって優しくてイケメンで面白くて明るくて外交的で。なんでジンヒョンじゃなくて俺にしたの？」
『えーそんなの、ユンギが良かったからじゃん』
YG「だからなんで」
『なんとなく。』
YG「はぁー、、、まぁいいや、風呂入ってくる」
『覗いてていい？』
YG「きもい。やめろ」
『可愛い嫁に、きもいってやめてよねー！』
YG「嫁ってか幽霊じゃん」
『嫁であり幽霊だよ！』
口を尖らせて本気でキレるから面白い。
ケタケタ響く俺の笑い声。
でも結局は、
Aは幽霊だから、
俺は一人で話して一人で笑ってるように
見えるんだろうか。
YG「なー、」
『なー、って！
毎回お前とか、なぁとか、やぁとか、
私の名前呼んでくれないし！』
YG「A、」
『………………なに』
YG「今更付けたんだけど、どう？」
Aと結婚してから、ずっと。
付けてなかった結婚指輪。
『……………私、死んだんだよ？』
YG「でも、俺の嫁なんだろ？」
もう付けといたままにしようと思って。
仕事してても、
家にいても、
風呂入ってても、
飯食ってても、
もう、ずっと。
『………また、誰かと再婚したら、
その指輪も捨てちゃうんだろうね。』
YG「再婚？俺が？」
『しないの？』
YG「無理じゃね？高いステーキ食ったら、安いステーキはもう食えないみたいな、そんな感じ」
『なんのこと？』
YG「”最高”を知ったら、
それ以外のものは全部魅力ないってこと」
『私が最高ってこと？』
YG「…………別に、そうとは、言ってない」
結婚指輪をはめた俺の左手に、
Aの右手が重なる。
でもやっぱ、何も感じないんだ。
『ユンギは私の中の”最高”だったよ。』
って涙ぐんでんのに笑うから、
こいつって複雑だ。
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年7月31日 22時
