JN ページ21
久しぶりに会った彼女は、
若干痩せてた。
レストランやカフェに行くと、
必ず出された料理を
美味しい美味しいと言って
ペロリと平らげるのに、
今日は4分の1食べて、
もう、お腹いっぱい、
そう言って笑った。
JN「なんか、あったの？」
僕は暗い話が苦手だ。
たった一言そう、
聞き出すのにも時間がかかった僕を見て、
彼女は笑った。
『私、病気らしいです』
その一言で、
僕は冷たくなって、固まって、
周りの席にいる楽しげな人達の笑い声も
聞こえなくなって。
『結構、やばいかも』
って眉を下げて笑った。
意味がわからない。
急に変な冗談はやめてほしい。
JN「………病気ってなんの？やばいって何が、
どのくらい？薬は飲んでるの？
医者はなんて言ってるの」
『ソクジンさん、早口』
ってヘラヘラして水を飲むから、
僕はイライラしてしまう。
JN「…ユンギは、知ってるの？」
一緒に住んでたら、
彼女の違いに気づくはずだ。
さすがに、あんな男でも。
『知らない。ユンギは、
ほんとうに何も知らない。
知らなくていいんです。
心配させたくないから』
JN「なん、、、、で、」
『知らなくていいこともありますよ』
JN「そんなものないよ」
『それにユンギは、
私のことそんなに好きじゃないから、
言ったところで、っていうのもありますね』
JN「………、」
『毎日一緒に横で寝てるのに気づかないって、
ユンギって鈍感ですよね』
JN「鈍感、っていうか、、、、
とにかく、Aは大丈夫なの？
病院には通ってるの？入院は？」
『なんで私がソクジンさんにだけ
病気のこと打ち明けたかわかりますか？』
そんなの全然僕の質問に
答えてなくて。
ていうか質問に質問で答えるなんて、
おかしなことで
JN「そんなの知らないよ、ていうかほんとに
『ソクジンさんって、
私のこと好きじゃないですか』
って、さらっと、
そう、言ったよね。
『ふふ。たぶん、ずっと。
私のこと、好きでしたよね？』
いつから、気づいてたんだろう。
って、驚いてる場合じゃない。
こんな唖然としてたら、
好きだったってことを
認めたことになってしまう。
否定するには、もう、遅すぎて。
というか否定なんてできない。
だって、僕は彼女が好きだった。
好きだったんだ、とても。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年7月31日 22時
