YG ページ15
JK「もしかして離婚？
別れたんですか？
別居中？だったら僕がヌナと
YG「何言っちゃってんのガキンチョが入る間もないくらい僕たちらぶらぶですけどなにか」
JK「………つまんないの」
YG「なんかオススメとかないの、
花とか詳しくないんだけど」
JK「ヌナが言ってました。私の主人、
花に全く興味ないって」
YG「余計なこと、」
JK「今は勿忘草が出回ってますね」
YG「ワスレナグサ？」
JK「綺麗でしょ？」
YG「じゃあもうそれでいいよ」
JK「ほんとに無愛想な人ですね」
YG「ほぼ初対面の年上にいう言葉じゃないだろ、それ」
JK「勿忘草の花言葉知ってますか？」
YG「は？」
JK「ワスレナグサの花言葉は、
恋人たちの悲劇が由来なんです。
若い騎士が恋人のために
ドナウ川の岸辺の花を取りに行ったとき、
川に流されちゃって。
最後の力を振り絞って掴んだ
その花を岸辺に投げて、
「私を忘れないで」
という言葉を残して亡くなったって話」
YG「へえ」
JK「まぁ、そういうことです」
ってドヤ顔をしたウサギから、
勿忘草を受け取って、
家に帰った。
.
.
.
.
YG「お前、絶対あのイケメン店員目当てで
花屋に通ってたろー」
って俺の声が部屋に響く。
すぐうるさくいつも通り反抗してくるかと
思ったら、ただの静寂
YG「………A、？」
花を持った俺はただ部屋の中央に立ちすくんだ。
Aはそこに、いなかった。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年7月31日 22時
