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母は言った。
この世には２種類の人間がいると。
それは、
“金のある人間と、金のない人間だ”と。
幼い私は母に聞いた。
『じゃあお母さんは、
どっちの人間なの？』
母は正直だった。
“決まってるでしょ、
金のない人間よ、”と。
母は、
皮肉にも私と同い年の子供がいる家で
家政婦として働いた。
国内で有数の大企業の社長の家で、
母は働きながら私を育てた。
その社長の家の子供がソクジンだった。
だから、出会う前から、
私達には大きな格差があった。
雇い主の息子と、雇われの家政婦の娘。
それがソクジンと、私だった。
高校卒業してから、
私はソクジンに会ってない。
会わなくなってもう何年？10年くらい？
スーパーのチラシのクーポンは
必ず冷蔵庫に貼っつけた。
環境に良いという理由じゃなくて
ゴミ袋が高いという理由で分別を
誰よりも頑張った。
お惣菜の値引きの時間帯を熟知した。
そうして、
私は大人になった。
ソクジンは、
たまに私の夢に出てくる。
でもそのときのソクジンは
高校生でも中学生でもなくて、
たぶん5歳とか6歳とか、
そのくらいのときのソクジン。
約束するように小指を私に向ける。
私が手を伸ばそうとしたら、
いつも、
そのタイミングで目が覚めてしまうんだ。
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名無し9755号(プロフ) - 身分の違う男女の恋愛が好きで、結ばれそうで結ばれない、そんな感じがとても良かったです！ (2021年8月13日 20時) (
レス) id: 12d6118293 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 今作も最高でした。ありがとうございました！ (2021年4月15日 8時) (レス) id: 30626e481a (このIDを非表示/違反報告)
LuLu(プロフ) - (ここでも大丈夫ですか？ダメでしたら全然消してください！) ジンくん最っっっっ高でした。ファンには見せない領域の儚げなジンくんや、本気で思ってそうなキザなジンくんまで、読んでいて想像つきました。報われて良かったです！これからも頑張って下さい！ (2021年4月14日 23時) (レス) id: 0d8bba83e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年4月9日 1時
