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手にいっぱいの
かすみ草を持って、
マスクと帽子をして、
オッパが病室に入ってきた。
私がこの世で一番好きな花を持ちながら、
オッパがマスクと帽子を取った。
病院の個人部屋、
しかもいい部屋を取るっていうのは
なかなかのお金がかかる。
私の治療費、諸々全てを
負担してくれているのが、
私のオッパであり、
韓国を代表するアイドルでもある
キム・テヒョンである。
最近黒にしたっていう
パーマの毛先は、
外の雨で少しだけ水滴がついている。
TH「ごめん、最近来られなくて」
『でも今日こうして来てくれたでしょ?』
それに最近会ってないような気がしない。
だって、テレビをつけたら
いつだってオッパがいるから。
アイドルだから求められる仕草やダンスは
妹の私からすると
見ちゃいけないものを
見てるようで、
少し恥ずかしくなるけど。
TH「最近はどう?具合」
『んー、まぁまぁかな』
TH「うそ。前より細くなってる」
責めるようにそういうけど、
私の力じゃ私はどうにもならないからね。
だから、そんな怖い顔しないで、ね?
TH「ご飯は食べたの?
ちゃんと良く眠れてる?」
『ご飯はね、さっきゼリー食べたよ。
睡眠はー、ちょっとまだ眠いかな、』
TH「ほんと?じゃ、一緒に寝よ」
私が寝てる患者用のベットに、
私の体をグイグイ押して
オッパが入ってくる。
オッパは体がでかいので
どうやっても窮屈。
私を心配してるんだか、
してないんだか、わからない。
TH「……ダメだよ、こんなの」
なんて私の首元に顔を沈めながら
急にオッパが言う。
ダメって何がだろう。
TH「ザ、患者さん、
って匂いがAからする。
そんなの嫌」
オッパは相当疲れてたんだろう。
そう言ってすぐに眠った。
私の治療費のため、
お父さんもお母さんもいない中で、
ずっと私のために働いてるんだから
そりゃ疲れるよね。
オッパの腕の中で、
私も目を瞑ると、
オッパから香るのは
昔とは違う、高級な香水の香り。
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2020年10月23日 15時