最果ての場所で【YG】 (ページ29)

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29.HS ページ29

「大変です！チョン先生、早く！
Aちゃんが、」

担当医はユンギヒョンなのに、
運悪くユンギヒョンはいなくて。

諦めたくはないけど、
言ってはいけないことだけど、
でも考えるより先に感じてしまった。

Aちゃんに「終わり」が来る。

HS「とにかくユンギヒョンに繋がるまで
ずっと連絡し続けて。
あとはテヒョナ、、、じゃなくて
親族にも連絡を」

何やってんだ、ヒョン。

こんなときに

『私の最期はっ…………ホソク先生が
見届けてくれるんだね、』

人口呼吸器越しで話すAちゃん。

HS「Aちゃん、話さないで、
大丈夫だから、
ヒョンは絶対に来るから」

忙しなく動く看護師達、
心拍数を教える機械音、
全部がスローモーションに見えて。

Aちゃんの顔は真っ白で、
手は温度を無くしていく

勢いよく突然開いたドアの先には、
急いで来たせいか
髪の毛が乱れて
息を切らしたユンギヒョン

HS「ヒョン、何してんですか！早く

YG「Aっ！」

駆け寄ってAちゃんの手を握るヒョン。

でも握り返す力はAちゃんには
もう無くて。

『ユンギせんせー、、、』

YG「ばか、やめろ、なんで………っ」

『ねぇ、先生、……言って？』

ってAちゃんが懇願するような顔をする。

YG「いやだ。ぜってー言わねぇから。
俺がお前に好きって言ったら、
安心して死ねるっつったろ、
だから絶対言わない。死ぬな、生きろ」

『なにそれ………そんなこと覚えてたんだ、せんせ」

ああ、やばい、もう、時間が

ヒョンは泣いてた

なんでか俺も泣いてた

不謹慎だけど、
でもどうしても思ってしまった。

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YG「………A、好きだっ」

こんなに

美しい恋があるってことを

俺は知らなかった。

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