召喚．３ ページ5
聖杯戦争。それは、聖杯という名の万能の願望気をめぐって、魔術師たちが争うバトルロワイヤル。
今から約２００年前。アインツベルン、マキリ、遠坂。この始まりんお御三家と外部の魔術師４人らで始まった聖杯戦争には、英霊と呼ばれる者たちをサーヴァントとして喚びだし、代理戦争を行うのだ。最後まで生き残った二組だけが聖杯を手にし、願いを叶えることができる。
この戦争には、最低２つのものが必要だ。１つは、令呪。聖杯に選ばれた魔術師に宿る聖杯戦争の参加資格の証であり、召喚したサーヴァントを律する３回きりの絶対命令権である。
そして２つ目は、サーヴァント。英霊と呼ばれる、”世界”に召し上げられた偉人や神話・民話などに出てくる英雄たちをサーヴァントとして召喚し、ともに聖杯戦争を戦うのだ。
そう、すでに私には１つ目に必要な令呪が左手に宿っている。これは、私にマスターとしての資格が与えられた証拠だ。そしてもう一つ。サーヴァントを召喚するためには、英霊に由来する触媒を使うのだ。
もちろん、私もサーヴァント召喚するための触媒をちゃんと用意している。
といっても、時間と予算とコネの問題で手に入らず、父の書斎にあった触媒を持って来たのだ。
持って来たのだが・・・そこにあったはずの触媒が、道端にでも落ちている石ころになっていた。
A「・・・はぁぁぁぁぁぁぁ！！？」
現実が受け入れられず、木箱の中身を二度三度と目をそらしたり、眼をこすったりした。しかし、そこには変わらずに医師が存在してた。
力なく崩れ落ちるAは、物が散乱する部屋を見渡す。
駅からタクシーに乗り、予約していたビジネスホテルの一室にたどりついたAは、今夜の召喚の準備を始めようと、荷物を整理していた。あらかた道具もそろっていることを確認した後、最後に触媒を確認しようよバックから取り出したのだが、フタを開けてみれば、そこにはただの石が我が物顔でAの前に現れた。
何かの冗談だと、バックやキャリーバックをひっくり返したが、見つからなかった。
そして、すぐに考えついた答えは一つ。”盗まれた”のだ。
犯人は１人。あの駅でぶつかった男に違いない！あの男にぶつかった後、すぐに中身を確認したのだ。だが、箱からわずかに魔術を感じ、すぐに解析をしてみた。案の定、箱に簡易の幻術が掛けられていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キリ餅 | 作成日時：2018年1月22日 20時
