お互いのために少しの気遣いを ページ45
宮舘side
最初は鼻水だけで、でも鼻炎の薬を飲んでも風邪薬を飲んでも効かなくて。
水のように垂れ続けるし、止まったと思ったら今度は鼻が詰まって鼻声で息がしづらそうな佐久間。
下を向くと垂れちゃうと言って、佐久間が天を仰ぐ姿を何日間か見た。
何回かふっかに弄られて、鼻水垂らして阿部に拭かれてたっけ。
ラウ 「佐久間くん大丈夫？」
佐久間 「んあ、、むりぃ」
深澤 「佐久間〜」
佐久間 「あ」
阿部 「ちょっ、、もう。ふっかもやめてあげて」
どれを試してもだめだったのに、家にあった総合風邪薬が急に効いて鼻水が止まったと思ったら、今度は夜中に咳が出るらしくて、朝起きてきてやっぱり風邪かも、なんて漏らしてた。
でもその割には、隣の部屋なのに咳の音が聞こえてこない。
佐久間曰く、眠れないって言ってたのに。
ベットが壁を挟んで隣り合わせじゃないからかなと思ったけど、それにしたって静かで。
たまに咳込む声が聞こえるくらい。
気になってこっちが寝れなくなっちゃって、佐久間の部屋を覗けば無意識なのかわからないけど、咳が出るタイミングで口元にふとんを押し当ててた。
そりゃ聞こえないわけだ。
そんなんしたら苦しいに決まってる。
佐久間 「っんん゛、こほ、ひゅ、」
変な咳の仕方をしてるせいか、佐久間の口から苦しそうな音が零れる。
さっき咳込んだばかりなのにまた口元にふとんを持って行くのが見えて、思わずその手を掴む。
佐久間 「こほこほっ、ごほっ」
「佐久間これやめよう、苦しいでしょ」
佐久間 「げほげほ、っ、けほ、」
止まらない咳に身体を九の字にするから向けられた背中を少しでも良くなるようにと摩る。
佐久間 「こほっ、、み、ず、」
ようやく咳が止まったと思ったら、涙目で水に手を伸ばす。
俺がいるのに全然頼ろうとしない佐久間。
俺の姿が見えてない？それとも苦しくてそこまで余裕がない？
サイドテーブルに置かれたペットボトルの蓋を開けて、佐久間の身体を少し起こす。
水を飲んでいる最中も、咳込む佐久間。
佐久間 「ん゛っ、こほこほ」
「焦らなくていいから」
佐久間 「っ、はぁっ、、こほ」
咳が凄くて休めるタイミングがない。
佐久間 「はぁ、、りょーた、起こ、し、た？」
「ううん、心配になって俺が見に来ちゃったんだよ」
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作者名：永遠
| 作成日時：2021年11月23日 14時
