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深澤side
それぞれ洗い終わって、露天風呂とかサウナとか。
阿部 「あれ、佐久間は？」
渡辺 「トイレとかじゃねーの？」
阿部ちゃんに言われて、そう言えば少し前には聞こえてたはずの特有のデカい笑い声が聞こえなくて。
トイレじゃないかなんて言うなべも心配の色が見えてる。
「俺、ちょっと見てくるわ」
一緒に入ってたふたりに声掛けて、内風呂から上がる。
脇に置いていたタオルを腰に巻いて、外の露天を見るけど佐久間はいなくて。
あれ、どこいった？
ラウの甲高い笑い声が漏れてきたサウナの方へ足を向ける。
サウナの入口でもあり、温泉の出入口でもある所の脇のベンチに佐久間はいた。
頭を下げて、下を向いてる佐久間。
「佐久間？どうした？」
佐久間 「のぼせちゃったぁ」
ゆるゆると顔を上げた佐久間。
それは小さな声で告げられた。
顔は真っ赤になっていて、首も鎖骨あたりまで全部赤い。
「動ける？無理？ちょっと水持ってくるな」
とても動けなさそうな佐久間。
とりあえず水飲ませないと。
脱衣所に慌てて入れば、もう上がったのかめめがいた。
「目黒、俺んとこからタオルちょーだい」
目黒 「ふっかさんとこ？これ？」
「その右！それそれ。あ、水もう2杯くらい持ってきて」
目黒 「、、水？」
タオルと水の入った紙コップを持って、佐久間のもとへと戻る。
「佐久間？水持ってきたから」
佐久間 「ん、、ごめん。ありがと」
素直すぎて気持ち悪いけど、そんなこと言ってる場合じゃない。
こくこくと喉を鳴らして水を飲んだ佐久間を見て、水分が取れてることに安堵した瞬間。
佐久間 「っ、おぇ、、っく」
佐久間がびちゃびちゃと今飲んだばかりの水を吐いた。
佐久間 「ふぅっ、、んぇ、げほっ、、」
「我慢すんな」
目黒 「うわ、え？佐久間くん大丈夫っすか？」
ちょうどよくめめが来て。
頼んでた水をベンチの隅に置いてくれる。
まだまだ吐きそうな佐久間の背中を摩る俺に変わって、佐久間が吐いてしまった吐瀉物を桶を使って流す。
佐久間 「げほっ、げほ、」
「佐久間もう上がろ？夕飯まで休もう」
佐久間 「んん、」
ぐらぐらと揺れる佐久間の背中を支えて、佐久間に話しかけるけど俺の声が聞こえてんのか聞こえてないのかもイマイチな反応。
早めの時間のお風呂だったから、まだ夕飯までは時間があって。
少しでも佐久間が休めるようにと願って。
少しでも、佐久間が夜を楽しめるように。
finish...
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作者名：永遠
| 作成日時：2021年11月23日 14時
