感染症対策 ページ30
渡辺side
？ 「だからっ、、ちが、、、じゃ、、くて！」
ドアを挟んだ向こう側、廊下で言い争う声が聞こえる。
その声を聞きながら、あぁ、だめだったんだろうなって。
佐久間 「はひゅっ、ひゅー、、」
ごめんな、佐久間。
ほんとは病院に連れて行ってやりたいけど、このご時世の中新しく出来た事務所の規定のせいですぐ連れて行くことが出来ない。
俺らの判断だけじゃ連れていくことが出来ないのがもどかしい。
てかおかしいだろ。
佐久間は持病があるんだから、すぐ病院に行けるようにしとかないと。
もし、こいつに何かあったら。
佐久間 「ひゅ、けほけほっ、」
身体を揺らして呼吸する佐久間が少しでも楽に眠れるように背中を擦る。
ガチャ
深澤 「っあ゛ー、くそ！」
電話を終えたふっかが戻ってきた。
宮舘 「だめだった？」
深澤 「全然話聞いてくんねぇ。イライラする、」
佐久間の持病の状態が少し良くなくて、悪化しないように気をつけてはいたんだけど、それでも2日前から明らかに状態が悪くなって。
喘鳴と乾いた咳のせいで、きっと寝れてない。
目は閉じてるけど、寝てるってより朦朧としてる方が近い気がする。
こんな状態なのに、事務所がOKを出してくれない。
ふっかが時間を置いて電話をかけ続けてるけど、まただめらしい。
深澤 「っ、なんで、こんな状態でもし何かあったら、」
佐久間が眠る布団の前で立ち尽くしてたふっかが泣きそうな顔のまま、言葉に詰まる。
俺らも同じ気持ちだよ。
早く楽にしてやりたいのに、なんでって。
佐久間 「ひゅっ、けほ、、ん、」
向井 「もう連れてこうや、、こんなの見てられへんって！」
阿部 「連れていきたいけど、俺達全員活動休止だよ？」
そう、なんだよね。そこなんだよ。
規定に反して行動した場合は違反行為として見なされて、全員自宅待機という名の実質活動休止になる。
まぁ活動休止ってほど重いもんじゃない。
2週間位だけ、活動するなよってそれだけではあるけど。
でも活動休止になって、迷惑がかかるのは事務所だけじゃなくて、冠番組とかレギュラー番組のテレビ局、プロデューサーさん、スタッフさん、普段お世話になってる人達全員で。
俺らの穴埋めになるかもしれない、先輩達や後輩、ファンのみんなにも心配をかけることになる。
そんなの言われたら、さすがの俺らも迂闊に動けない。
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作者名：永遠
| 作成日時：2021年11月23日 14時
