みんなと一緒にいる未来 ページ29
佐久間side
少し前に大嫌いな病院で処方してもらった睡眠薬。
絶対に頼りたくない、と思ってた。
薬なんかに頼るもんかって思ってた。
例え、寝れなくなったとしても絶対に嫌だった。
でも寝れなくて、いよいよメンバーの目がきつくなってきて誤魔化しがきかなくなっちゃって。
そろそろ病院行けって言われちゃう。
だって、照もふっかもしょうたも。
みんな俺の事見てる。
俺ね、病院行ったんだよ。
ちゃんと診てもらったの。
それでね薬をもらったんだ。
その薬はね。
「、、睡眠薬、なんだよ」
誰に話しかけてる訳でもないのに、誰かが聞いてくれてるわけじゃないのに、言葉として寂しく口から零れた。
夜にこの薬を飲んだら、よく寝れるの。
仕事上いつでも病院に行けるわけじゃないから、もともと多めにもらった睡眠薬。
飲む分だけ出すつもりが手元が狂って、床にぶちまけちゃって。
1錠ずつ、拾ってる時に、ふとこれ全部飲んだら嫌なこと忘れられるのかなって。
良くないことが頭をよぎる。
そんなことだめだよ！っていう俺と飲んじゃえ！っていう俺が頭の中で喧嘩してる。
手のひらに転がる薬。
___これを飲めば。
でも怖くて眠ってしまったら、もうみんなと会えない。
テッペン取ろうって、それも叶わなくなる。
「っ、ふ、、ぐすっ」
涙がボロボロと零れて。
拭っても拭っても溢れる涙。
目元を押さえる袖口が濡れてく。
「ぃやだ、」
やだやだ、まだみんなといたい。
まだSnow Manでいたい。
せっかく掴んだのに、手放したくない。
夢、じゃなかったんだ。
ずっと夢だと思ってたデビューが夢じゃなかった。
俺達だってデビュー出来た。
もう29歳？意外といってんねって、アラサーじゃんってよく言われる。
そうだよ、アラサーだよ。もう30歳だよ。
だから？
歳なんて関係ないじゃん。
渡辺 「佐久間ぁ？明日の、」
ガチャ
散らばった薬の真ん中でぐずぐずと泣いてる俺を見て、しょうたが息を飲んだ音が聞こえた。
渡辺 「っなに、やって！」
「ふぇ、、しょ、」
怒られる、そう思ったのにしょうたがぎゅって抱きしめてきて。
あれ、いつもと違う。思ってるのと違う。
しょうたなら1番に怒るのに。
渡辺 「怒ってないよ。でも何錠飲んだかは俺に教えて？」
「ぁ、のね、、く、すり、、飲めなかっ、たぁ」
みんなのことが大好きすぎて、オーバードーズ出来なかったよ。
finish...
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作者名：永遠
| 作成日時：2021年11月23日 14時
