シンプルに、 ページ2
向井side
某ウイルスが世界に流行ってから、少しでも体調悪いと事務所にも入れて貰えへん。仕事なんてもってのほか、当たり前にさせて貰えへん。
それが、ウイルス感染やなくても。
落ち着くまでホテルに隔離されんねん。
やけど、事務所の息がかかってるホテルに空きがなかった。
やから、さっくんは自宅療養になったんやけど。
阿部 「佐久間ー？まだ入っちゃダメ？」
佐久間 「こほ、、だぁめ、」
阿部 「心配だよ、看病させて？」
部屋に戻る途中でさっくんの部屋の前にいる阿部ちゃんに会った。
さっくんはただの風邪やってんけど、移るかもしれないからって俺らと距離を置き出して。
部屋に閉じこもって、看病しなくていい、ご飯も廊下に置いとくよう言われてしまって。
俺らは看病したいんやけど、できない状況なんよね。
1日1回は、さっくんの部屋の前でメンバーとさっくんの押し問答が聞こえてくる。
今日は阿部ちゃんなんや。
阿部 「んもう、、入るからね、って」
強行突破しようとドアノブに手をかけた阿部ちゃんが固まる。
「どしたん」
阿部 「ちょっと、鍵開けてよ」
佐久間 「やなのぉ。開けたら、入ってくる、でしょ？」
まぁそれはそやな。
鍵開けたら入るよな。
鍵かけるってことは、阿部ちゃんの前に誰かが強行突破したってことやんな。
やけど、部屋の鍵は基本閉めないことにしてるから、これはあかんなぁ。
「さっくんー？お部屋入らへんから鍵開けてくれへん？なんかあった時助けられへんから頼むわぁ」
佐久間 「こほこほ、、んん゛」
お話の最中も聞こえてくる咳き込む声。
さっくんの風邪はあんまり良くならんくて、毎日心配が募ってく。
「、さっくん？」
鍵開けて欲しい、とお願いしたのに部屋の中から音が聞こえへんくて、不安になる。
カチャ、ン___
さっくんが鍵を開けた音がやっと聞こえた。
「ありがとうな」
さっくんが鍵を開けた途端、部屋に入ろうとした阿部ちゃんの手首を掴んで、その場を離れて俺の部屋に入る。
ガチャ
「阿部ちゃんあかんて」
阿部 「せっかく開いたのに」
「せやけど、さっくんに嫌われたないやろ？」
阿部 「康二は心配じゃないの、」
「心配やで？やけど、ご飯も食べれてるしもう少し様子見いひん？」
心配なのはみんな一緒。
やけど、さっくんの気持ちも考えてあげなあかん。
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作者名：永遠
| 作成日時：2021年11月23日 14時
