. ページ21
ラウールside
もう何ヶ月も前に、スタッフさんに呼び止められ、スタッフさんの後ろを着いていく佐久間くんの後ろ姿は今でも覚えてる。
確証はないけど、なんか嫌な予感がした。
佐久間くんがいなくなっちゃうような、そんな予感。
でもそんなの杞憂でしかなくて、佐久間くんは少しした後戻ってきた。
特に、いつもと変わらない佐久間くんだった。
ダンスレッスンの時に、激しいダンスでレッスン着が捲りあがった瞬間見えちゃった。
佐久間くんのおなかに青紫色の痣。
あまりに痛々しくて、踊っていた体の動きが止まった。
目黒 「ラウ？」
「っあ、ごめんなさい！」
深澤 「や、大丈夫だけどなんかあった？」
「フリ飛んじゃった (笑)」
いつもと違う僕に誰より早く気づいて、ふっかさんに声をかけられた時はドキッとした。
咄嗟に、フリを忘れたと嘘をついた。
多分、気づかれてないんじゃないかな。
この日から、佐久間くんをよく見るようになった。
あんまり見ると佐久間くんに気づかれちゃうから、そこらへんはうまくやってたと思う。
僕はまだ高校生で、学校優先！ってふっかさん達から言わてるから、仕事の都合がつけられる時は大体学校終わりに仕事現場に直接向かうことが多い。
この日は、学校が終わるのが少し遅くなっちゃって、ふっかさんに連絡入れた。でも、待たせるのは申し訳なくて近道をしようと裏口から入ったんだよね。
誰もいないと思ってたのに、そこには佐久間くんがいた。
壁に背を預けて苦しそうに息を吐く佐久間くん。
思わず、声をかけた。
佐久間 「、らう」
「え、ちょ、佐久間くん！！」
佐久間くんに駆け寄って気づいた。
すぐ側に見た事のあるスタッフさんがいて。
飄々としてるスタッフさんと、座り込んでる佐久間くん。何があったかは聞かなくてもわかる。
「自分が何したかわかってるんですよね？」
スタッフ 「は？お前みたいなガキの言う事なんて聞かねーから」
「それは貴方が決めることじゃない。この事は滝沢くんに報告させてもらいます」
スタッフ 「めんどくさ。証拠ねーのに、何が出来んだよ」
「録音してたので、これが証拠になると思いますけど？」
録音なんて本当はしてない。はったりだ。
でも、はったりに気づくことなくスタッフさんは次の日には辞めていてもう現場で見ることはなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sakumamankai(プロフ) - 自然界の怖さ、書いて頂きありがとうございます！イメージ通りの話を書いて頂き、嬉したかったです。これからも新作、楽しみにしています。 (2020年10月18日 21時) (
レス) id: 787adc54fe (このIDを非表示/違反報告)
永遠(プロフ) - 桃子さん» リクエストありがとうございました！楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2020年10月17日 23時) (レス) id: 9a157f8c2d (このIDを非表示/違反報告)
永遠(プロフ) - sakumamankaiさん» リクエストありがとうございました！虫取りのお話すっ飛ばしてしまってすみません！ぜひ、次があればリベンジさせていただきますので、どうか楽しんで頂けたらとても嬉しいです！ (2020年10月17日 20時) (レス) id: 9a157f8c2d (このIDを非表示/違反報告)
アカ(プロフ) - いつもかわいい佐久間くんを供給していただきありがとうございます(≧∇≦)リクエストしたいのですが、私は「もうひとりの佐久間」の話が好きです。よろしければ仕事場での話が読みたいです。よろしくお願いします(*^-^*)長文失礼しました。 (2020年10月11日 11時) (レス) id: 1064b9907d (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 永遠さん、書いてくださって本当にありがとうございます！！江戸川トリオ最高でした。書き続けるのは色々な苦労があると思いますが、これからも応援しています。 (2020年10月7日 23時) (レス) id: 24614b06cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：永遠
| 作成日時：2020年8月25日 21時
