【wrwrd!】自己認識社畜は働きたくない (ページ3)

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第一章第一話.先輩と恩師ページ3

『死んだ人に会うなんて、、そんなことが可能なんですか！？』「まぁ、本来は良くないことだけどね。そんなことは。」

俺を助けてくれた恩師、通称「くられ先生」は答える。先生と名乗っているが、本当に先生らしい。初めは俺も信じられなかった。

「波長が合えばね、出来るんだよ。本来存在しない者に会う、ということが。その代わり、触れることは出来ない。まぁ、死んだ人に会うというより、過去に行くっていう表現の方が正しいかな。」

仮面で見えない顔だが、ニヤリと笑っていることだけはわかる。俺はそれを呆然と見つめていた。

「転生なんて、僕も信じてなかったんだけどね。ビックリしたよ、彼から話を聞いたときは。所謂、パラレルワールドってやつかな。」『パラレルワールド……？』「そう。彼がいる世界線。彼がいない世界線。今回、君には彼がいる世界線に行ってもらう。」

アイツに、、会えるのか？本当に？未だにそのことが信じられない。だが、この人が嘘をつくようにも思えなかった。

「自己責任でお願いね。流石に僕も多少のサポートはさせてもらうよ。君に死んでもらったら困るし。行く？」『……俺が行かない、なんて答える訳ありませんよ。行きます。』

くられ先生はふふっ、と笑った。

「その答えを期待していた。ただし、条件がある。触れることは出来ない。死んだことは気づかせない。こちらに連れ戻すことは不可能。」

彼は途端に真面目な顔をして答える。

「まだ試作と言うこともあるから、あちらの世界で夜になったら必ず戻ってくること。そうでもしなければ、魂だけが死んでしまい、体だけ残ってしまう事態になる。くれぐれも、気をつけてくれ。」『はい。恩師の役に立てるなら、光栄です。』

真面目な顔をして答えると、くられ先生は「恩師って、、そんな大層なことはしてないよ」と微笑んだ。

「それじゃ、これをお願い。本当に気をつけてね。彼が死んだことに気づいたら、魂ごと消失してしまうかもしれない。」『……はい。彼に会うだけですから。』「……彼らにも、よろしくと伝えておいてね。」

俺ははい、と微笑んでから、その装置を取り付けた。