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夏祭りが終わって ページ40

それから一か月後。

広報部主催の恒例イベント『夏祭り』は、社員の家族はもちろん、取引のある他社の方々にもたくさん来ていただいて、去年に引き続き大盛況で終わった。


「みんな、お疲れ〜！｣


部長の音頭で始まった打ち上げはいつもの居酒屋。

今日も私の前には、ビールがあった。

でも、乾杯が終わると同時に、ビールはオレンジジュースに変わっていた。


「Aさん、お疲れ様でした」

隣に座ったチャンミンくんが、私の前にあったビールを持って、オレンジジュースのグラスをカチンと鳴らす。

またオレンジジュースを頼んでくれたんだ。

｢うん、チャンミンくんもお疲れ様｣

イベント準備が本格化してからお互いが忙しくて、一緒にご飯を食べるどころか、ゆっくり二人で過ごせることも少なかったから

こうして無事にイベントが終わったことが、本当に嬉しい。

私たちを見て、目の前で口元をニヤつかせたチョウさん。

「良かったなぁ、チャンミン。これで俺や他の男が濱田さんと接する機会がやっと減るな｣

ははは、と笑ったチョウさんに「なに言ってるんですか｣口を出したら


「本当ですよ。こんなに耐えた自分を褒めたいくらいです！｣

勝ち誇った顔をして、チャンミンくんが頷いた。



「ちょっと、チャンミンくんもなに言ってるの｣

小声でそう言ったら、目を大きくしたチャンミンくんも小声になって。

「だって本当のことですよ？Aさんにまとわりつく男たちに僕がどれだけ我慢してきたかわかってますか!?お!?｣


確かに仕事中はカトクもほとんど来なくなったし、もしかして我慢してくれてるのかなとも思ってたけど。

テーブルの下。こっそり手を繋がれたかと思ったら

私の耳に口を近付けたチャンミンくんが、ふって息を吹きかけて。


「いつも疲れてるみたいだったから、ずっと我慢してましたけど。
今日からは、印をつけるだけじゃすまねぇですよ」


わっるい顔してニヤッと笑った彼に

「な、にを…っ｣

顔が赤くなるのを止められない。

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