赤い印 ページ38
彼の優しい体温が、私に伝わってくる。
「Aさん、顔を見せてください。……あぁ、もう酷い顔ですよ」
困ったみたいに優しい顔で笑った彼が、服の袖で私の涙を拭ってくれる。
眉を下げて私の両手を握ってくれるチャンミンくんを見ながら、ずずっと鼻を啜った。
「どうして…、」
「ん?」
「どうして戻ってきてくれたの…?」
「…実は……ジユンヌナに怒られました」
「…ジユンさんに?」
「はい。お前はバカなのかーっ!って怒鳴られました」
そう言って、少し嬉しそうに笑ったチャンミンくん。
「ジユンヌナに言われたんです。Aさんのことが本気で好きなら、それと同じくらい本気で仕事しろって」
私の目を見て「あ。また擦りましたか?」少し口を尖らせたチャンミンくんが話を続ける。
「よく考えたら何年も行くわけじゃない。たったの三ヶ月です。その三ヶ月我慢するだけで、僕はもっとAさんを幸せに出来るかもしれないんですよね。
ジユンヌナの言う通りです。僕が間違ってました」
うんうん、とひとり納得してるチャンミンくんに「…え?」首を傾げる。
「だーかーら。結婚したら僕の地位が少しでも上のほうが、生活に余裕があってAさんも嬉しいでしょう?」
「け、結婚!?」
「……なんでそんなに驚きますか…?
はっ!!まさか、Aさんは僕と遊びで付き合ってますか!?お!?」
「そ、そうじゃないけど…っ」
び、っくりした…!
まさか、結婚なんて単語が出てくると思わなかったから。
「…怪しいですね。でもまぁいいです。僕はAさんと結婚するって決めてますから。
だから僕は、僕のお嫁さんになるAさんのために、三ヶ月研修に行ってくることに決めました」
「だから。Aさんも夫のために三ヶ月だけ、我慢してください」って両頬を挟まれて
「う、うん…」
間の抜けたような声が出た。
「なんですか、その返事は…。僕は本当に心配なんですからね。
本当はAさんを小さくしてポケットに入れて持ち歩きたいくらいです」
「それは無理だよ…」
「出来ないことくらいわかってます。だから僕は印をつけることにしました」
「印…?」
近付いた彼が「痛…、」私のうなじをチクッと刺激した。
「Aさん、もし変な男が寄ってきたら、必ずこれを見せてください」
それは、私が彼の物だという赤い印……。
1723人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユチコ(プロフ) - miyuさん» miyuさん。ドキドキありがとうございます笑 もどかしい二人を楽しんで貰えたら嬉しいです〜。メッセージにてパスワードをお送りしましたので、確認をお願いします。 (2020年12月25日 11時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - やばーい!キュン死しそうです♪もどかし過ぎてドキドキします!←忘れてた感情 笑 パスお願いします♪ (2020年12月22日 0時) (レス) id: aef111b54a (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - パス、さっそくありがとうございました!うれしいです! (2020年4月24日 19時) (レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - あみさん» あみさん。読んでくれてありがとうございます(*´˘`*)ドキドキして貰えて嬉しいです〜(o´艸`)passを送らせていただきましたので、確認をお願いします。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - ドキドキきゅんきゅんしながら読ませていただいています。パスワード、是非ぜひ教えてください。楽しみにしております。 (2020年4月20日 11時) (レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユチコ | 作成日時:2015年4月22日 20時