.:*ﾟ..Fly with me 【ＣＭ】3.:*ﾟ..

ファーストキスの相手は ページ31

私の視線を受けた彼の目が、動揺するように揺れ出した。

「チャンミンくんの、ファーストキス…？」

「…いえ。今の話は忘れてください｣

そう言って、ビールをグイッと飲んだチャンミンくんに、ユノさんとジユンさんが大笑いする。


え…？え？？

そんな三人を交互に見た私の肩を、堪えられなくなったジユンさんが笑いながら叩いた。



「教えてあげる！ごめんね、チャンミナのファーストキス奪ったの私なの！｣

「ヌ、ヌナッ!!｣

「いいっじゃ〜ん。だってね、ほんっと可愛かったんだよ、昔のチャンミナ！ほんと天使みたいでね〜｣


だから、寝てる時の顔があんまりに可愛かったから、ちゅってしてみたんだけど。って

楽しそうに話すジユンさんにチャンミンくんがプルプル震えてる。


「信じられますかっ？ファーストキスですよ!?
それもヒョンの家で寝てる間に、ジユンヌナに奪われるなんて…っ」

「なんで〜！いいっじゃ〜ん、ファーストキスが私だなんて光栄に思わないと〜｣

「光栄なわけねぇでしょう！僕の青春を返してください!!｣

ギャーギャー言い合ってる二人を優しく見守ってるユノさん。




……知らなかった。

今まで数人の女性と付き合ってきたこと。それが綺麗な女性ばっかりだったことは彼の口から聞いたけど。

彼が今までどんな恋愛をしてきたのか。どんな人を愛してきたのか。

知りたいようで知りたくない。
聞きたいようで聞きたくない。

チャンミンくんに大事にされる度に。愛されてると確信する度に。

今までもこんな風に、誰かを愛してきたのかな、って
恋愛初心者の私には、ちょっと苦しかったから。


彼のファーストキスの相手が、ジユンさんだったと知って

ものすごくホッとしてる自分がいた。



「チャンミナ、そんな怒らっないでよ。Aちゃん、そんなに嫌だった？？」

心配そうにジユンさんが私の顔を覗き込むけど

そんなことない。むしろ逆です。


「ジユンさん、ありがとうございます…」


チャンミンくんのファーストキスがジユンさんで良かったって、ジユンさんにぎゅうって抱きついたら


「ムオッ!?｣


チャンミンくんが勢いよく立ち上がったから

ユノさんとジユンさんが、大きな声で笑った。

タクシーの中→←ジユンさんと…

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