.:*ﾟ..Fly with me 【ＣＭ】3.:*ﾟ..

重なる肌 ページ22

夢の中の私は雲の上を歩くみたいに、身体がふわふわ揺れていた。

不安定だけどどこか心地よい真っ白な世界。
何も考えられなくなるような開放感。

「……さん、Aさん…！！」


その中で、誰かが私の名前を呼んだ。



「Aさん！大丈夫ですか！？」

……色を取り戻したそこには、彼がいた。


「……チャンミンくん…？」

「あ〜もう、驚かさないでください…っ｣

はぁ、と安堵するようにベッドに倒れ込んだ彼は、衣類を何も身に着けていなくて


「……あ」

夢なんかじゃないことを思い出した。


「……私…」

「急に倒れるからびっくりしました…っ」

ぎゅう、と抱きしめられた身体。


心配そうな彼の声に、のぼり詰めるようなあの感覚の後……自分が失神したんだとわかった。


「ごめんなさい、私…っ」

「僕が無茶したのがいけなかったんです」

少し身体を離して、「本当に大丈夫ですか…？」と聞く彼に、うんうん、と首を振る。


「良かった……、壊しちゃったかと思いました…」


はぁ、と、もう一度抱き締められた身体が彼の肌にペトッとくっついて

異常な程、身体が汗ばんでいることに気付いた。


「あの、私シャワーに｣

「嫌ですよぉ。まだ離したくありません」

起き上がろうとした身体は簡単に戻されて、チャンミンくんの長い腕に包まれた。


「や、でも……」

彼の肌にくっついた自分の身体を離そうと身を捩ると、「動かないでください」って引き戻されて。

「Aさんの身体は柔らかくて温かくて……本当に気持ちがいいです」

「な、にを…っ」

「だから動かないでください。Aさんはもう僕の物です」

にっこりと、子どもみたいな顔で本当に嬉しそうに笑うから、またこの胸がきゅぅぅん、って音を鳴らす。

さっきまで恥ずかしいって、彼に見られたらどうしようって思ってた身体は

もう私だけの物じゃないみたい。

ジンジンと痛む身体は、彼に愛された喜びで泣いてるみたいで。

優しい目で私の頭を撫でてくれるチャンミンくんを見てるだけで幸せで泣きたくなって、ぎゅう…と私から抱きついた。


「…Aさん…？」

鍛えているチャンミンくんの身体がピクッと動いた。


どうしよう。本当に好き。

大好き。って気持ちがチャンミンくんに伝わるかな、ってもう少し身体を押し付けたら。

ガバッと上体を起こした彼が


「……Aさん」

私の上に覆い被さった。

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