期待したのは〜CMside ページ17
車をパーキングに止めて紙袋を持ってエレベーターに乗る。
……正直戸惑っている。
だってまさかAさんが、手伝ってほしい、なんて言うと思わなかったから。
半ば強引に連れまわした今日一日。
途中何度も帰りたいのかな、と思えるような言葉を口にしていた彼女。
あぁ、Aさんは俺と同じ気持ちじゃないのかなって。一緒に居たいとは思ってくれないのかなってガッカリもして。
だけど、…ダメだ。焦っちゃダメだ、って自分に言い聞かせてここまで送ってきた。
……つもりが。
「……荷物、重いですよね」
「え?あ、いや全然…」
エレベーターのボタンを押した彼女が申し訳なさそうな顔をする。
帰されると思った。
当然帰るもんだと思っていた。
なのに
「あ、この辺にでも置いてください」
玄関を開けて、家の中に入った彼女が、俺が腕を伸ばしたところで届きそうもない位置を指定する。
「あ、うん」
……これは…入ってもいいってことだよな…?
彼女の顔を伺いながら靴を脱いで
指定された場所に紙袋を置いた。
…………で。
どうするべきだ……?
黙ったまま俺を見てるのは、やっぱり帰れってこと…?
「……あ、じゃあ」
「え、あ、待って」
呼び止められてすぐに振り向いてしまう俺は、なんて単純なんだろう。
「今、洋服のお金を」
「え?……あぁ」
……なんだ。呼び止めたのはその為か。
カバンからお財布を出して「足りるかな…」小声で呟く彼女に「いいって」少し冷めた声が出た。
「いらない。僕が勝手にしたことだって言ってるじゃないですか」
「そんなわけにはいきません!それに映画だってチャンミンくんが払ってくれたし」
「いいんです!男とデートしたんですから、これくらい普通です!」
……怒ったわけじゃない。ただ残念だっただけ。
でも自分でもちょっとビックリしたほど低くなってしまった声に、彼女の眉が下がった。
「…そう…なんですね。何にも知らなくてごめんなさい。
男性とデートしたの…初めてだったから……」
最後の方は何て言ったのか聞き取れないほど小さくなった彼女の声。
…あぁ。俺は何をしてるんだ。
彼女のこんな顔が見たいわけじゃないのに……。
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ユチコ(プロフ) - miyuさん» miyuさん。ドキドキありがとうございます笑 もどかしい二人を楽しんで貰えたら嬉しいです〜。メッセージにてパスワードをお送りしましたので、確認をお願いします。 (2020年12月25日 11時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - やばーい!キュン死しそうです♪もどかし過ぎてドキドキします!←忘れてた感情 笑 パスお願いします♪ (2020年12月22日 0時) (レス) id: aef111b54a (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - パス、さっそくありがとうございました!うれしいです! (2020年4月24日 19時) (レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - あみさん» あみさん。読んでくれてありがとうございます(*´˘`*)ドキドキして貰えて嬉しいです〜(o´艸`)passを送らせていただきましたので、確認をお願いします。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - ドキドキきゅんきゅんしながら読ませていただいています。パスワード、是非ぜひ教えてください。楽しみにしております。 (2020年4月20日 11時) (レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2015年4月22日 20時