映画 ページ16
男性に見送られ、車に戻って。
「お腹が空きました」とエンジンをかけた彼が最初に向かったのは、アメリカンなハンバーガー屋さん。
「ここのバーガーは本当に美味しいんです」と彼がハンバーガーを5個も注文して。
まさか、と思ったけど簡単に完食してしまった。
「…本当によく食べますね」
この細い身体のどこに入っていくんだろう…。
「はい。どうやら僕は人より少し胃が大きいみたいです」
それで太らないなんて羨ましい……。
「Aさんはあまり食べませんね」
「そうですね。食べたら食べただけ太ってしまうので…」
「そうなんですか?じゃあ運動すればいいですよ。僕も朝は運動するようにしています」
……運動。
「運動……は、苦手でして…」
「やってみたら意外と楽しいですよ。筋肉も付くし。あ、良かったら今度僕と一緒に走りますか?」
走るですって…!?もっとも苦手とする運動ではないですか!
「……考えときます」
「はい」
お腹も心も満足した彼が次に向かったのは映画館。
「観たかった映画があるんです」と彼が選んだのはロマンス映画だった。
「僕は悲しい映画や感動する映画を観るのが好きなんです。Aさんは?」
え…アクションとかサスペンスとか…とは言い難い。
「特には…どんな映画も好きです」
「そうですか」
結局映画は、心を閉ざした主人公の女の子が学校一モテる男の子を好きなってしまうというありがちなラブロマンスだった。
普段はあまり選ばないジャンル。
なのに。
それまで知らなかった感情が芽生える不安。
素直に好き、と言えない女の子の気持ちが手に取るようにわかって感情移入してしまい
恥ずかしげもなく映画館でボロボロと泣いた。
「いい映画でしたけど…Aさんが泣いていたのにはびっくりしました」
車に戻ったら、隣でチャンミンくんがそう言って笑い出し
「放っといてください…っ」
恥ずかしくて窓の外に顔を向けた。
「嘘です。可愛いなって思っただけです。送りますね」
優しく微笑んだ彼の横顔をガラス越しに眺めながら、そっか、もう帰るんだ…と心の中で呟いた。
あっという間に着いたマンションの前。
「あ〜…荷物、ひとりで大丈夫ですか?」
「どうしよう?」というように彼が私を見た。
まだ…帰って欲しくない。
「手伝ってもらっても……いいですか?」
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ユチコ(プロフ) - miyuさん» miyuさん。ドキドキありがとうございます笑 もどかしい二人を楽しんで貰えたら嬉しいです〜。メッセージにてパスワードをお送りしましたので、確認をお願いします。 (2020年12月25日 11時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - やばーい!キュン死しそうです♪もどかし過ぎてドキドキします!←忘れてた感情 笑 パスお願いします♪ (2020年12月22日 0時) (レス) id: aef111b54a (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - パス、さっそくありがとうございました!うれしいです! (2020年4月24日 19時) (レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - あみさん» あみさん。読んでくれてありがとうございます(*´˘`*)ドキドキして貰えて嬉しいです〜(o´艸`)passを送らせていただきましたので、確認をお願いします。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - ドキドキきゅんきゅんしながら読ませていただいています。パスワード、是非ぜひ教えてください。楽しみにしております。 (2020年4月20日 11時) (レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2015年4月22日 20時