涙のわけ ページ5
悲しいとき、悔しいとき。そして嬉しいときに出る涙は良く知ってる。
だけど。
心がぎゅう…と掴まれたみたいに切なくて苦しい
この涙は、知らない。
「……どうして泣きますか…？」
急に泣き出した私にびっくりしたんだろう。
彼の目が、不安そうに揺れた。
私だってこんな姿を見せたいわけじゃない。
だけど止めなきゃと思うと余計に溢れ出る涙は、もう自分じゃコントロール出来なくて。
恥ずかしさに耐えながら必死に涙を手の甲で拭っていると
「……そんなに擦ったら赤くなります」
ポケットからハンカチを取り出したシム・チャンミンが、そっと私の頬に触れた。
…まるで壊れ物を扱うみたいに、優しく頬に触れるハンカチ。
そして彼の指が微かに私の頬に触れた時。
「……ごめんなさい。焦らないって、そう決めていたのに…」
視線を床に落とした彼が、小さな声でそう言った。
「…嫌だったんです。Aさんとチョウさんが一緒にいるのを見て……、チョウさんがAさんのお弁当を食べたと知って、堪らなく腹が立ったんです」
彼の顔が…赤く染まっていく。
胸が、苦しい……。
「僕は…嫌なんです。
あなたが…、Aさんが、他の男と一緒にいるのも、楽しそうにしてるのも。
全部…僕だけの物にしてしまいたい｣
恥かしそうに…だけど私の目を見てひとつひとつ言葉を紡ぐシム・チャンミンに
苦しくて、苦しくて、呼吸を忘れそうになった。
「……Aさん？」
そんな私に気付いたのか、シム・チャンミンが私に一歩近づいた時だった。
「……オッパ？」
どこから聞いていたのか、目を赤くしたスヨン、が非常階段の入り口に立っていた。
「スヨン…！」彼女の名前を口にした彼を見て、さっきのふたりの姿を思い出した。
苦しい…、苦しい……っ。
「かえ、ります……」
「え？」
ゆっくりと階段を下りはじめた私の腕をシム・チャンミンが掴んだ。
｢待ってください、Aさん！｣
「……離して。今日は…帰ります…」
もう無理。これ以上は無理。
心臓が壊れちゃう、って…そう思った。
「……Aさん…」
そっと離れた彼の手の温度を感じながら下り始めた階段。
私のヒールの音が、リアルに響いていた。
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ユチコ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん。読み返しありがとうございます( ；∀；)とても嬉しいです( ；∀；)そして帰ってきてLIVEをしてくれる二人でも感謝感謝ですね！相変わらずの美しいお二人に私もすっかり骨抜きです笑 生活が潤いますね笑 (2018年12月7日 13時) (
レス) id: d9338454cd (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ユチコさん、お久しぶりでございます。もう何度目かわからないくらいの読み返しです。2人が帰って来て、怒涛のライブラッシュなのめまいを起こしそうですが、幸せですね。ひさびさにこちらのお話の2人に会いたくて、やってまいりました。 (2018年12月3日 11時) (レス) id: 0c3ca6793d (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - かおりさん» かおりさん。初めまして！泣いたり笑ったり…ありがとうございます( ;∀;)私も妄想で子育てのイライラ解消中です。笑 あとはチャミ頼みとなりました！！これからもどうぞよろしくね (2015年4月22日 21時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - alexisさん» alexisさん。単純な作者です。名前も単純ですいません。笑 さぁ、追い出されました！行き先は決まってます！いくじぇ〜！笑 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - りんさん» りんさん。ジユンさんからのご褒美もヒロインちゃんからのご褒美も楽しみなんですけど〜！笑りんさんのコメントで私の妄想が膨らみます(´艸｀*) (2015年4月22日 21時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユチコ
| 作成日時：2015年3月24日 17時
