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USJに敵連合襲撃後でも、今までと変わらぬ日々だった。
いつも通り雄英の蕎麦は美味い。
「敵連合襲撃したんでしょ、大丈夫だった？」
「ああ」
「無事でよかったよー」
ちっとも心配をしていなさそうな口ぶりに、少しいらっとくる。
表情は動いていないだろうが。
「思ってねえだろ」
「本気で心配したよ。君が居なくなったら私の君を大笑いさせるって目標はどうなるのさ」
「心配する点そこか？」
呆れ返ると彼女は肩を竦めた。
「冗談だよ。本当は轟くんしか私の話を聞いてくれる人がいないから、轟くんが居なくなったら困るんだよ」
つまらない冗談とやらを言う彼女に冷たい視線を送る。性質の悪い冗談である。
「わっ怒んないでよ、ごめんて」
お詫びにとかき揚げが俺の丼に運ばれる。
ちなみに彼女も今日はそんな気分だと、蕎麦を買っていた。
「お前がそういう奴ってことは前から知ってる」
嫌味をたっぷり含んだその言葉に彼女は、笑いでさらりと躱した。
「でお初の敵と対面の感想は？」
「あの殺気、あの狂気、尋常じゃなかった。訓練じゃ味わえないものだ」
ふつふつと湧き上がるこの感情を彼女は察したのか、大怪我にならなくて良かったよと苦笑した。
感情が抑えきれず掌をぐっと握ると、相澤先生の手を思い出した。
相澤先生の拳は俺のよりもずっと固そうで。ひょろっとした体型でも努力の証であるものは、彼の拳に沢山詰まっていた。
…もっと身体を鍛える時間を増やすか、 そんな考えが巡る。少しでも
「へぇ」
「まだオールマイトの足元にも及ばないことも分かった」
「ああオールマイトが助けにきてくれたんだっけ」
まあプロとの差は大きいからねー、とケラケラ笑うこいつに不服ながらも頷いた。
悔しいが紛れもない事実である。
「いいじゃん、しなよ努力」
「言われなくても」
「轟くんはストイックそうだね」
周りの奴らと同じだけだと意味がない。ほかの奴らより上に行くためには、クソ親父を越すためには、それなりのものが必要になる。
だからそれを実行しているだけだ。
「努力すれば必ず叶う、とは言わないけど」
でも、と区切って彼女は正面を見た。
視線がぶつかる。
「この世界で無駄なことなんて無いんだよ」
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作者名：にこらす | 作成日時：2018年4月7日 23時
