95話 ページ46
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「こらっ、手当させろ!」
「要らない」
「頑張って救急キット持ってきた意味!!」
むきーーっ! としつつ人気の少ない場所へ無理やり連れていく
「簡単に、5分ぐらいだけでもいいからやらせて、
日本を守るその腕が使い物にならなくなったら大変だから」
真っ直ぐ、零を見つめれば彼は諦めたように ふっと笑った
「……じゃあよろしく頼む」
「仰せのままに」
傷を見てみれば、割とバックリいっていてちょっとビビった
「かなり染みると思うけど我慢してね?」
引きつった笑みの零はスルーして、消毒液をポンポンと傷口に当てていく
声を我慢している零がなんだか新鮮だけどさっさと終わらせなきゃ、という気持ちが勝る
「…とりあえず包帯ぐるぐる巻く…? なんかむしろこのワイシャツで巻いちゃった方がいい…?」
キットに入っている包帯の量と、一応入れていたワイシャツの予備を見比べる
……うーん、包帯足りるかなぁ
「ワイシャツで巻いちゃえ、じっとしててね?」
「えっ、ワイシャツって、血がつくんじゃ」
「包帯じゃ足りませんから、いいの」
さささーっとワイシャツを上手く巻いてとりあえずの処置は終わらせた
「応急処置過ぎて雑いから家帰ったらちゃんともっかい傷口綺麗にしたり消毒したり包帯巻いたりしてね?」
「ありがとう」
じゃあ帰るか、と思い立ち上がってから気付いた
___家の鍵、工藤邸だ
はぁあああああなんというミス!!
まぁなんとかなるか!!
「あ、それじゃあ私工藤邸に鍵とか全部置いてきたか、……ら?」
ぐっ、と腕を引っ張られ
そのまま私は零の胸へと飛び込む
か細い声で名前を呼ばれ、上を向けば零はとても綺麗な笑顔でこちらを見ていた
「この世界の誰よりも、お前を愛してる」
一気に赤くなる顔
……それと同時に何故か怒りが込み上げてきた
「ねぇ、零って日本守る気あるの?」
雰囲気に全く似合わない事を言ってしまい勿論目の前の男は目をぱちくりさせている
「……私前にも言ったよね?
それに、たくさんの顔を持つ貴方なんだから弱味を握られたらお終いなの、
この国以外大切なものを持ってしまったら自分の首を絞めるだけじゃない?」
零が嫌いなんじゃない
……自分が幸せになったらその代償が周りに降り掛かってしまうんじゃないか、
____ただ、恐怖しているだけ
「怖いの、私のせいで大切なものを失うのが」
私は静かに 涙を流した
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るいルイ - めっちゃ面白かったです。語彙力があんまりないので、感想が全く伝わらないと思いますが、コナンor新一君推しの私でも充分に楽しめました。 (2019年2月10日 17時) (レス) id: c60feea639 (このIDを非表示/違反報告)
あちぇるんるん(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございますー( *˙˙*) お楽しみに(*´ω`)ゞ 頑張ります、ありがとうございます(*´∀`)♪ (2018年6月19日 21時) (レス) id: d385e648a6 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - あちぇるんるんさん» まじですか !!お話期待してます !!!!これからも頑張ってください !!!!!!!!!! (2018年6月18日 23時) (レス) id: b179b492b3 (このIDを非表示/違反報告)
あちぇるんるん(プロフ) - 紅葉さん» 私もキッド様大好きです…(つω`*) かけ持ちで書いてみようかな…ってちょっと思い始めてます('ω') コメントして下さりありがとうございます(*- -)(*_ _) (2018年6月18日 22時) (レス) id: d385e648a6 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 私個人としてはキッド様大好きなので是非あちぇるんるんさんが書かれるキッド落ちをみたいです 、 、 !! (2018年6月17日 19時) (レス) id: b179b492b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちぇるんるん | 作成日時:2018年6月11日 12時