【名探偵コナン】な ぜ そ う な っ た【ゼロの執行人】

81話 ページ32

{僕より先にIoTテロだって分かったなんて、凄いね}


……声が少し冷たい

｢なぁに？ 私を疑ってるの？｣
{んー、なんか知ってそうだなーって}
｢私は小五郎さんを助けるために動いていたからこれ以降のことはしーらない｣

ふふふ、と笑えば 何を知ってるの、とこわーい声で聞かれる

｢いずれ分かるから、安心して｣
{どういう事？}
｢名探偵の君なら、こんな事件もうちょいで解決できるでしょ？｣

あぁそうだ

｢君なら境子先生の秘密がわかりそうだね｣
{…まぁ、調べてもらってるけど}

さっすが、名探偵
思わずにやけてしまう

｢見に行っても、いいかな？｣
{…その後逃がさないけどいい？}


うーーーーん……

時間的にも資料見たら警視庁の屋上に行かないとかな でもコナンくんに捕まるかなぁ…

｢んー、いいや 待ってるね｣


意味深な発言をして電話をぶち切る
…その直後にインカムから小言が聞こえてくる


{そういえばなんでわざわざ電話かけたの？}
｢ん？ 確実に聞いてもらうには電話した方が早いと思って｣


ゆっくりと歩を進める
向かうは勿論屋上だ



.

.


コナンside

いつの間にか傘とバッグを持った境子さんが立っていた

｢岩井検事は、妙なことに羽場二三一の窃盗事件がきっかけで出世したんです
＿＿ところで、これは？｣

彼女が手にしているのは自身の調査報告書で

｢なぜ私や私の元事務員をお調べになっているんですか？｣
緑さんが困った顔をしている
｢先生のこと、よく知っておきたくて私が栗山さんにお願いをしたの｣

境子さんは資料に目を通したあと
感心したような声で言った

｢よく調べてある、貴方も優秀な事務員のようね｣
｢まるで羽場さんもそうだったって言ってるみたいだけど、その人は携帯ゲームを盗もうとして境子先生の事務所を潰した悪い事務員さんだよね？｣


｢あれは二三一のせいじゃない！！

……私が、無力だったから｣


耳元でくすり、Aさんが笑った気がした

｢下の名前で呼ぶんだね、自分の事務所で働いていた事務員さんを、二三一 って｣
｢………彼が拘置所で自死したことは？｣

唐突に聞かれて俺は動揺する

｢それは、拘置所の中で公安警察に取り調べを受けた後、すぐだったんです｣

……まさか、安室さんなのか…？

｢なんで公安警察が…？｣
｢そんなの聞いたことがありません｣

境子さんはテーブルに置かれた調査報告書の羽場さんの写真を見て、握り締めた拳を震わせていた

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