幽霊少女は愛を謳う

＊ ページ8

花子Side


「…御久し振りです。七番様」

いきなり現れた零番。
カイギとかにも全く顔を出さなかった彼女が
どうしてこんな所に…


光「な、…何で………」


花「あれ、二人知り合い？」


「私は光くんのお友達。
　七番様を祓いに行くって言ってたから、
　ちょっと見に来たんです。」


花「少年怪異の友達いたんだ…」


光「い、色々あったんだよ…」



「全く、私を祓えなかったのに七番様を
　祓うだとか…無謀にも程があります。」



光「おまっ………言うな！」


返り討ちにされたんだねw



花「まぁ…君には期待してるよ。
　 今は無理だろうけど。」


光「なっ………」



そんな少年を余所に、
俺は零番に歩み寄り、手を差し出した。


花「改めて、学園七不思議が七番目、
　 “トイレの花子さん”仲良くしよーね。」


零番は俺の手を数秒見つめてから、
ゆっくりと華奢な手を動かす。

体温の無い手が交わる。


「…学園七不思議が零番目、“屋上の歌姫”
　こと、セツナです。
　…宜しく御願いします。」


零番は少し憂いを含んだ微笑みを浮かべた。

何でだろう……


花(なんか…懐かしい………)


セツナ、その名前に引っ掛かる。


可笑しいな、顔合わせの時に一度会っただけなのに…

まるで、ずっと前から、知ってたみたいな…

モヤモヤするなぁ…


花「ねぇ、れいば…ﾔｼ「「あの！」」 う”っ」


ヤシロに吹っ飛ばされた。
それも結構な勢いで。


ﾔｼ「私の名前は八尋寧々！よろしくね、
　 セツナちゃんっ！！！」


花「妙に積極的だね…ヤシロ。」



ﾔｼ「だってこの子、凄い美人さんで優しそうなんだもん。
　 私もお友達になりたい！！ダメ？」


零番はﾊﾟﾁﾊﾟﾁとまばたきをして、笑う。
コロコロと鈴を転がす様な笑い声。


花(まただ…変な既視感…)



「いいよ。女の子のお友達が出来て嬉しい。
　ヤシロちゃん、宜しく。」



ﾔｼ「ネネって、呼び捨てで呼んで、その方が
　 友達っぽいでしょ？」



「…あは、了解。じゃあ、ネネ？」



白いリボンを揺らして、首を傾げる零番。

同時に、頭の中でｼｬﾝｯと音がした。

何処かで聴いた事がある、様な…


花(何だっけ…この音)


その日、謎のモヤモヤが晴れる事は無かった。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す