４．コートに生きる黒い蝶と呼ばれていた少女は飛ぶ事を恐れました【月島蛍】

167*黒い蝶 ページ37

響「………ハハハッ」


貴「っえ？」


響「そっかそっか、あのAがね〜。」


いきなり笑い出すお姉ちゃんを前に頭がついていけない私


貴「お、お姉ちゃん？」



響「あ、いやー。さっきはごめんね！月島くんにも申し訳ない事しちゃったなー」


怖いお姉ちゃんはどこへやら



いつも通りのお姉ちゃんに戻っている



貴「もしかして、演技だったりするんですか？」


そう聞くと


いやいやーと手を振りながら


響「フゥ))……そりゃあ私も最初はびっくりしたけどさ、Aがツッキー？の家出てから少し寂しそうな顔してたから」



貴「えっ！してた？」


響「してたしてた。………んでもさ、もしAがツッキーに圭を求めてたら、それは相手に凄く失礼な事で絶対に良い関係は作れないんだよね」



お姉ちゃん………


それって


貴「やっぱり演技じゃん！」


響「だから違うってば〜！…でも、安心した。Aってツッキーと会ってからよく笑うようになったよね！」



貴「そう？」



響「そうー！何か、心から笑ってるって感じ！」



そしてまた、私達は顔を見合わせて笑い合う




その日の夜は満月が美しく輝いていた

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