４．コートに生きる黒い蝶と呼ばれていた少女は飛ぶ事を恐れました【月島蛍】

156*黒い蝶 ページ26

月「そういえば、家に電話とかしなくていいの？」

　


貴「………っあ！」




すっかり忘れてた




お姉ちゃんに今日は4時までに帰るって言ったのに



貴「もう六時半……」



かなりヤバイ




月「家の電話、使っていいと思うから連絡しておいたら？」




うぅ………ツッキー……




貴「ありがとう！」




そう言っておばさんに聞いてから電話を使わせてもらう




prrrrr…………


ガチャ



貴「あ、お姉t((響「A！？」………うん」




響「何してるの？！久百宮の方に連絡しても居ないって言われて………事故にでも、あったのかと思ったんだよ！」


事故…………


私達はその言葉の重みを知っている


だからこそ心配をかけてしまった事は十分に分かる



響「Aまでいなくなったら……私は独りになる」




響「圭も守れなかったのに、Aまで守れなかったら………お姉ちゃん失格じゃん」




貴「………ごめんね」




その時のお姉ちゃんの声は少し鼻声で泣いてるんだって事が分かった



お姉ちゃんも、少なくとも家ではあの日以来涙なんて見せたことなんてなかった

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