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19話 ページ20

目の前にはほぼ肉と骨だけになった恐らく女性の遺体が横たわっていた
…ついでに、第1発見者であると思われる女性も近くで気絶していた


……肉と骨、というのは比喩ではなく
腹は綺麗に大きく裂かれ かつ明らかに中身が入っていないことが見受けられた
___多分、臓器が全て抜き取られているのだ
でもパッと見そこまで保存状態の悪くないものであり、それが尚更不気味さを引き立てている



どこかで見たことがあるような…



ハッと思い出した瞬間に悪寒が体を駆け巡り、思わずその場に崩れ落ちる

以前にこういう遺体を見たことがあった
…その時は写真で見たから、実際に見たのは初めてだったが

その事件とは勿論私が殺された一連の事件のことで



なんだか 似ている、気がする




「Aさん!」




急に現実へ引き戻された時には目の前に安室さんの綺麗な顔があって
コナンくんが居なくなってたことから、きっと私のそばにいてくれたのだろうと推測できた

「ご、ごめんなさい 驚いてしまって」
「無茶しないでください、貴方は女性なんですから」
コクリと頷けば 立てますか? と手を差し伸べられて
立ち上がった瞬間にあの事件のことを思い出し体が急に震え出した

思わず安室さんの手を強く握ってしまう

「……大丈夫ですか?」

「調べてた事件と似ているので怖くなっちゃって」

震えた声でそう告げれば一瞬安室さんの顔が強ばったのが分かった

まずはポアロに戻りましょう、と声をかけられ手を強く握り返される
人肌ってほんとに安心するんだな、と思わされてしまったのはちょっと悔しかった


ポアロへ戻ると皆が心配したような目でこちらを見てくる
…なんか色々と申し訳ないな

「ご心配おかけしました、……それと、もう警察は呼んだの…?」
「うん、もうすぐ来るって!」
コナンくんがそう声をかけてくれる
…ほんとに頼りになるなぁ

そういえば
私は警察の協力者的な立ち位置だったよね

この事件は正しく私向きなのだろう、
遺体を見て直感でそう思った

……せめて、安室さんには伝えなきゃ

「安室、さん」

弱々しくも名前を呼べば察してくれて
奥の方の部屋に連れていってくれた


完全に二人きりの空間になる

私はゆっくり深呼吸をして安室さんの目を見つめた


「私、元の世界でこういう手の事件を調べてたんです
何か協力できることはありませんか
色々教えてくだされば、きっと力になれる」


見つめたその目が、一瞬揺らいだ気がした

20話 安室side→←18話



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レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました!!面白かったです!零君が超カッコいいのでキュンキュンしてます! (2018年10月19日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あちぇるんるん(プロフ) - kamiさん» 関西の方の方便で そうですか の意味ですね! 北海道には何も関係ありません…笑 (2018年6月17日 13時) (レス) id: d385e648a6 (このIDを非表示/違反報告)
kami(プロフ) - さいでっかって、方言ですか? (2018年6月17日 12時) (レス) id: ee89c5b5ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あちぇるんるん | 作成日時:2018年6月4日 23時

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